吉岡心平のマーク

三井三池タオ50

私有貨車


 三井三池タンク車シリーズの第三回は、線内輸送用では最大の車両であったタオ50〜52をご紹介しよう。

 もともとこの3両は、東洋高圧工業KKがタキ1500形15218〜220として昭和36年4月に富士重で製作した車両である。その後所有者は三井化学との合併により三井東圧化学KKとなった。
 昭和49年3月に車籍除外になった時は、予想外に早い廃車として当時のファンの話題になったものだが、実態は線内輸送タンク車への転用だったのである。

 改番後の番号はタオ50〜52で、改番対象は不詳だが、実見によればタオ52の前身はタキ15220であった。専用種別標記は3両とも「原油専用」に変更されている。

中でもタオ50、51の2両は後天的改造により保温用の熱絶縁とキセが追加されたため、奇妙奇天烈な外観に変貌していた。このキセはキャンバスのような材質で、触ると柔らかいタンク車と言うのも前代未聞である! なお、タンク下部のキセは台枠に支障するため平坦となっていた。

 その用途だが、飯塚さんから頂いたメールには「三池沿線の油施設には、三池港内港の南岸壁に油桟橋と三井東圧の石油基地があり、四ツ山駅から石油線と称した長い引込線が通じていました。現地の話では昭和60年6月に廃止線になったと聞きましたが、実際にはレイルが鉄道廃止まで残っていました。架線も長い間張られたままでした。」とあり、この石油輸送に充当されていたようだ。時にはタキ1800形ベンゾール専用車なども、タオに混じって使用されていたようである。


●同一形式 三井三池タオ34(特別編92)  外部加熱管付の濃硫酸タンク車。

        三井三池タオ40(特別編4)    タキ300形トップの改造と推定される車両。


【特別編18】010205作成、040806R4。

三井三池タオ形50の写真

【写真1018の1】 三井三池タオ50 昭和57年3月23日 宮浦駅にて P:吉岡心平

三井三池タオ形51の写真

【写真1018の2】 三井三池タオ51 昭和57年3月23日 宮浦駅にて P:吉岡心平

三井三池タオ形52の写真

【写真1018の3】 三井三池タオ52 昭和59年1月5日 宮浦駅にて P:吉岡心平