吉岡心平のマーク

タキ7600形7600

私有貨車

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タキ7500形
タキ7650形

 番号
ロット表


タキ7601

 ページ
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特別編7
特別編9

積荷
●構造

入口


 特別編8は、橋本さんのご質問にお答えする。
 「25トン積」のタキは思いのほか珍しいものだ。何故なら車軸が4本あれば、大抵のものは30トン積むことが出来るためである。このため25トン車には、3軸車・高圧ガスタンク車など変わった車両が多いが、なんと言っても最大派閥は他形式からの改造車であった。

 25トン積希硫酸専用車のタキ7600形もそのひとつで、2両在籍したが種車と改造時期が異なるため、外観は全くの別物である。

 タキ7600はタキ300形351を昭和35年1月に改造したものである。種車は30トン積濃硫酸専用車で、太平鉱業KKが昭和25年三菱で337〜351の15両を製作したグループのラストナンバーであった。奇しくも第9週で紹介したタキ334の次ロットに当たり、戦後製のタキ300形としては二作目である。

 改造では種車のタンク体と台枠をそのまま流用したが、希硫酸は濃硫酸と異なり鉄鋼を腐食するため、種車のタンク内面にゴムライニングを追加する加工が行われた。写真で手前側の鏡板下部に見えるハッチは、ゴムライニング施行時に使用した通気口である。ゴムライニング工事は車両メーカーではなくゴム加工の専業メーカーが行うため、施工会社名が残らない場合が多々あり、タキ7600の場合も不明のままである。ご存知の方がいらっしゃれば、是非ともご教示願いたい。
 台枠以下も種車時代のままで、台枠長さは9,000mm・BC間距離5,900mm、そして台車はTR41から第一次台車改造でTR41Dとなった。

 所有者は三菱金属鉱業KKで、常備駅はタキ300時代を通じて細倉鉱山であった。昭和48年8月に廃車となったが、その後も写真のように、構内輸送用ないし据置タンクとして、細倉鉱山駅の構内に留置されていた。


●関連形式 タキ300形1316 昭和28年三菱製で種車となったロットと良く似ている。


【特別編8】001229作成、021012本文修正、写真1008を1008の2、写真1008の1追加、021016リンク追加、
030124リンク変更、040228R4、050412R4A、060809ロット表R2追加、070607R4A2、070803ロット表R3、
080726R4BY。


タキ7600形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
7600 S3501 不明▲ タキ300 351 三菱金属鉱業KK
7601 S4407 日車支店▲ タム2300 2337 日本曹達KK

タキ7600形7600の写真

【写真1008の1】 タキ7600形7600 昭和54年5月7日 細倉鉱山駅にて P:吉岡心平

タキ7600形7600の写真

【写真1008の2】 タキ7600形7600 昭和54年5月7日 細倉鉱山駅にて P:吉岡心平