吉岡心平のマーク

タキ7750形17764

私有貨車

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タキ7700形
タキ7800形

 番号
[ロット表]

タキ17754

タキ17773

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第194週
第196週

積荷
●構造

入口


 今回は、通好みのタキ7750形変形車を紹介しよう。

 タキ7750形は35トン積カセイソーダ液専用車で、昭和42〜平成5年に294両が製作された。タキ4200形の改良版だが、荷重は同じ35トンとユーザーにはメリットが乏しい。今なら、さしずめ端数トン数制度を活用して37トン車になったかも知れぬ。

 タキ17764は昭和44年10月日車支店で17762〜64の3両ロットとして誕生した。写真を見れば判るように、カマボコ形のキセと側梁省略台枠を組合せた、当時の同社製としては標準的な作りであった。ところが・・・
 本車の見所は暗くて判りにくいがタンク受台側面に見える縦筋だ。私有貨車セミナーのタキ5750形解説で述べたように、当時の日車形側梁省略台枠には、大別して2系統があった。枕梁部分が薄いものと厚いもので、前者はタンク受台表面が垂直、後者は傾斜しているのが特徴であった。

 本車の受台側面に見える縦筋は、どうも前者で製作したタンク体を、後者の台枠に適合させるため改造した跡のようだ。台枠の作りから見て後天的改造ではなく、メーカーで製作中に受けた変更のようだ。過渡期の車両と言えるようだが、詳しい理由は・・・謎である。

 タンク体は耐候性高張力鋼製で、寸法は直径1,950mm・長さ8,580mm、内面には厚さ3mmのゴムライニングが施されていた。周囲には厚さ50mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセがあった。
 台枠は枕梁間の側梁を省略したもので、長さは9.400mm・BC間距離は6,400mmであった。台車はTR41Cから、第二次改造でTR41DSに改造されている。

 落成時の所有者は東亜合成化学工業KK・常備駅は伏木で、会社名は平成6年7月に東亜合成KKと変わった。長らく「カセイカリ液」専用車として使用されていたが、平成15年度に廃車となった。


●参考文献 私有貨車セミナー第153回(レイルマガジン273号掲載)。


■主要諸元
製造年   昭和44年10月
製造所   日車支店
設計比重 1.48
タンク容積 23.6m3

●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス
タンク材質 耐候性高張力鋼
タンク内面 厚さ3mmゴム
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク直径 1,950mm
タンク長さ 8,580mm
保温設備 グラスウール厚さ50mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式S字管付
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      9,400mm
BC間距離  6,400mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KSD203−254形積空
台車      TR41C→TR41DS形
         (第二次台車改造)

タキ7750形17764の写真

【写真195】 タキ7750形17764 昭和51年5月22日 梶ヶ谷貨物駅にて P:吉岡心平


【第195週】040523作成R4、050327R4A、070601参考文献追加、070802R4A2、090523R4BY、100710
R4B、100903諸元追加。