吉岡心平のマーク

タキ7800形7800

私有貨車

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タキ7750形
タキ7850形

 番号
ロット表


タキ7803

 ページ
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特別編114
特別編116

●積荷
●構造

入口


 近頃はコキ200形で賑わう海山道(みやまど)の側線も、その昔はホキ6000・タ4000・タキ800など珍奇な貨車の撮影地として知られていた。その中でも比較的撮りやすかったのが、今回取上げるタキ7800形である。

 タキ7800形は30トン積オクタノール専用車で、昭和35年1月と37年3月に各々3両づつの2計6両が三菱で製作された。

 積荷のオクタノールは沸点178℃・凝固点−17℃・比重0.83の香気ある無色引火性液体。石油化学製品の一種で、溶剤、香料、塩化ビニル樹脂用可塑剤の原料などに用いられる。
 外観・構造はごく普通の30系タンク車である。設計比重は0.83・タンク容積は36.5m3・同空容積は2.2%であった。

 タンク体は普通鋼製で、形態もごく普通のドーム付直円筒型タンク体である。タンク寸法は直径2,

050mm・長さ11,300mmであった。タンク固定はセンタアンカ式、受台は帯金方式である。
 荷役方式は積込み・荷荷卸しのはタンク下部の吐出管から行ない、荷卸しも吐出管を用いた下入れ・下出し方式である。積荷は吸湿性が高いため、荷卸し時にタンク内に流入する空気を除湿するための乾燥装置をドーム脇に装備していた。この種のものはエチレングリコール専用車などに見られるが、本形式のものは横置き円筒タイプで、他に類のないスタイルであった。ドームとの間にある通気管には、ドーム側からの積荷の逆流を防ぐためのトラップが設けられていた。
 台枠は通常の平型で長さは12,000mm、ブレーキ装置は手+空気、台車はTR41Cである。

 所有者は三菱化成工業KK・常備駅は塩浜であった。タキ7803〜05の3両は、その後東水島に異動したが、写真のタキ7800は生涯を塩浜駅常備として過した車両の一つであった。昭和62年5月に廃車となった。


【特別編115】011016作成、020621本文修正、040128R4、050412R4A、050706ロット表追加、060810ロット表
R2、070802ロット表R3+R4A2、090304R4BY。


タキ7800形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
7800〜7802 S3501 三菱 三菱化成工業KK
7803〜7805 S3703 三菱 三菱化成工業KK

タキ7800形7800の写真

【写真1115】 タキ7800形7800 昭和51年3月7日 塩浜駅(三菱三社専用線)にて P:吉岡心平