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タキ3900形3951

私有貨車

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タキ3850形
タキ4000形

 番号
解説

タキ3948
タキ3956

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第156週
第158週

積荷
●構造

入口


 平成14年度末の両数表から、タキ3900形が姿を消した。最後まで残ったのは変形車だったので、ここでは標準的なスタイルの車両を紹介する。

 タキ3900形は昭和29〜44年に66両が誕生した30トン積石炭酸専用車で、タサ3400形20トン車をそのまま大型化した設計である。高純度を要求される合成樹脂原料の輸送用として、接液部にステンレス鋼を使用した最初期の車両である。
 興味深いのはタンク体の材質と製法で、材料コストが高かった時代の車両は、普通鋼製タンクの内面にステンレス薄板を貼り付けたが、材料価格が低下するにつれて、普通鋼とステンレスのクラッド鋼板製となり、最後は無垢のステンレス鋼製タンク体と変化した。

 タキ3951は昭和38年10月若松製で、富士重製の52、日車本店製の53,54と競作された。
 タンク体はステンレスクラッド鋼製で、例えば胴板は普通鋼部分8mm・ステンレス鋼部分1.5mmの合せ板である。寸法は直径1,900mm・長

さは10,500mmであった。室温で固化する積荷のため、タンク下半分には温水ジャケット形の外部加熱装置があり、注水管と配水管は本形式のチャームポイントだ。その周囲には厚さ30/60mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセがあり、本車は若松製では珍しいカマボコ形だが、他社製を見習ったものと思われる。
 荷役設備では、車端寄りに補助積込口を持つため、タンク踏板と手摺が長いのも、本形式の特徴であった。
 台枠は平形で、長さ11,500mm・BC間距離8,200mmであった。ブレーキは大自重車用のKE形である。写真の台車はTR41Cだが、重心高さが高かったため、その後の第二次台車改造でTR41DSに改造されている。

 所有者は三井化学工業KK・常備駅は大牟田であった。昭和39年12月に三池港駅常備に変わり、昭和43年10月には東洋高圧との合併で三井東圧化学KK所有となった。昭和50年頃に大牟田駅常備に戻り、平成8年10月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和38年10月
製造所   若松車両
設計比重  1.04
タンク容積 28.9m3

●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 ステンレスクラッド鋼
タンク板厚 胴8+1.5鏡板10+2mm
タンク直径 1,900mm
タンク長さ 10,600mm
タンク周囲 ジャケット式外部加熱管+
       グラスウール厚さ60mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      11,500mm
BC間距離  8,200mm(推定)
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C→TR41DS形
         (第二次台車改造)

タキ3900形3951の写真

【写真157】 タキ3900形3951 昭和51年8月2日 秋田港駅にて P:吉岡心平


【第157週】030831作成、040117R4、040906リンク追加、050414R4A、050909リンク追加、060816リンク
変更、070622R4A2、090418R4BY、1005294R4B、111104諸元追加+R4C。