吉岡心平のマーク

タキ8700形8711

私有貨車

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タキ8650形
タキ8750形

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解説

タキ8708
タキ8713

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第108週
第110週

積荷
●構造

入口


 タキ8700形には様々なタイプがあるが、今回はCD−ROM第4巻に収録した、純アルミタンク車の例を紹介する。

 タキ8700形は30トン積の酢酸ビニル専用車で、昭和35〜44年に27両が製作された。積荷の純度保持のため、タンク体はステンレス製とするのが標準だが、このうち3両は、純アルミ製のタンク体を持っていたことが知られていた。

 タキ8711は10と共に、昭和40年5月日立で製作された。タンク材質は高純度アルミニウムで、板厚は胴板13mm・鏡板20mmであった。タンク寸法は直径1,890mm・長さは11930mmで、周囲には保冷用の厚さ150mmのグラスウール製断熱材が、タンク内部にはステンレス製の加熱管

があった・・・ あれ、何故保冷キセ付に加熱管があるのだろうか?
 結論を言えば、酢酸の仮専用を考慮したためで、写真では鏡板下部の加熱管端部は平蓋で塞がれているが、落成時からこうだったのか、それとも後天的改造なのかは謎である。なおキセ塗色は銀色で、時期的に見ると「銀キセ」の元祖だが、恐らくアルミ製のキセだったのだろう。
 台枠は普遍的な平型で、長さ12,900mm・BC間距離は9,600mm、台車はTR41Cである。

 所有者は昭和電工KKで、常備駅は鹿瀬であった。同社の石油化学への進出により、昭和44年1月に徳山石油化学KK所有・周防富田駅常備に異動した。駅名は昭和55年10月に新南陽となり、昭和62年9月に廃車となった。


■主要諸元
改造年   昭和40年5月
改造所   日立
設計比重  0.93
タンク容積  32.1m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 純アルミニウム
タンク板厚 胴板13mm・鏡板16mm
タンク直径 1,890mm
タンク長さ  11,930mm
熱絶縁   厚さ150mmグラスウール
●荷役方式
荷役方式  上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ       12,900mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形
台車      TR41C形

タキ8700形8711の写真

【写真109】 タキ8700形8711 昭和49年4月17日 八木原駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第4巻に「P00188」として収録されています。


【第109週】020929作成、021002誤記訂正、021211リンク追加、040111R4、040121リンク追加、050413R4A、070601R4A2、081113R4BY、100601諸元追加+R4B。