吉岡心平のマーク

タキ4850形4852

私有貨車

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タキ4800形
タキ4900形

 番号
ロット表

タキ4851
タキ4855

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第100週
第102週

●積荷
●構造

入口


 トリレンジイソシアネートはウレタン原料として大量に消費される有毒粘稠液体で、専用種別名は通称である「TDI」と標記する。他にも読み難いものはタンとあるのに、何故これだけ特別扱いして貰えたのだろう。

 タキ4852は、昭和39年4月若松製である。タキ4850〜4853は我国初のTDI専用車で、4850と4851が富士重、4852と本車が若松で競作された。若松製のタンク車は希少だが、三井化学では他社製との競作の形で同社製を採用する例が多い。地場産業育成の見地からなのだろうか。

 外観では、2つならんだドームが特徴だが、車体中央にあるものは、荷役配管を収めた円筒形プロテクタで、正しくはドームではない。本来ならプロテ

クタをドーム頂板上に載せるのが正しいのだが、本車の場合タンク体が太く、限界に余裕が無かったため、このように妙な構造となったようである。
 タンク体はステンレスクラッド鋼製で、周囲には温水ジャケット式の過熱装置があり、その外側はグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセで被覆されている。写真でタンク右側にあるS字管は温水の注入管で、左側車端部にあるのが排水管である。

 落成時の所有者は三井化学工業KK、常備駅は大牟田であった。同年12月から昭和48年9月までの間、常備駅は宮浦となった。昭和43年10月、東洋高圧との合併により所有者名は三井東圧化学KKとなった。運用先は浮島町で、同地で荷役中をご覧になった方も多いことだろう。平成14年3月に廃車となった。


タキ19600形のロット表


■主要諸元
製造年   昭和39年4月
製造所   若松車両
設計比重 1.18
タンク容積 25.4m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 ステンレスクラッド鋼
タンク板厚 胴板9mm・鏡板12mm
タンク直径 1,900mm
タンク長さ  9,500mm(外面)
熱絶縁   グラスウール
       厚さ110〜150mm
加熱設備 ジャケット式外部加熱管
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      10,500mm
BC間距離  7,200mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C→TR41DS形
         (第二次台車改造)

タキ4850形4852の写真

【写真101】 タキ4850形4852 昭和50年3月3日 宮浦駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第19巻に「P01084」として収録されています。


【第101週】020804作成、040228R4、040316リンク追加、050420R4A、050624ロット表追加、060823ロット表
R2、070627R4A2、070715ロット表R3、090614R4BY、100406本文修正+諸元追加+R4B、121012ロット表を特別編1451に移動+R4C。