吉岡心平のマーク

タキ300形314

私有貨車

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タキ250形
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[ロット表]

タキ302
タキ327

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第56週
第58週

積荷
●構造

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 今回は戦前製タキ300形の代表である「新潟製」の車両を紹介する。

 タキ300形で戦前から戦中にかけて製作された車両は3グループに大別される。昭和7年日車で製作されたタキ300、301、昭和13〜17年新潟製の302〜331、そして昭和18年日立で作られた332、333である。

 タキ314は昭和13年新潟で12両製作されたうちのラストナンバーだ。弊サイトをご覧頂いている方は、タサ2500形やタサ2600形との類似点を即座に見抜かれるに違いない。実際には今回取り上げたタキ300形が元祖で、両形式はこれから派生したものだ。

 この車の変わった点としては、濃硫酸専用車のくせに鏡板に点検口を持つことが挙げられる。不思議に思っていたら、希硫酸輸送へ転用することを考慮して、落成時から設置されていたようだ。台枠は側梁省略型で台車はTR20、一個所当り2本のタンク帯金や前後2分割のセンタアンカなどは、戦前の新潟製の標準プラクティスであった。

 落成時の所有者は日本鉱業KKで、戦争勃発後の昭和18年10月に日本硫酸配給統制KKに異動した。その後同社は昭和19年5月に日本硫硝酸統制KKに、敗戦により「統制」が取れて日本硫硝酸KKとなり、昭和24年頃に日本鉱業KKに復帰した。常備駅は生涯一貫して日立であった。昭和51年6月に廃車となった。


タキ300形314の写真

【写真57】 タキ300形314 昭和49年5月30日 東港駅にて P:吉岡心平


【第57週】010930日作成、011130リンク追加、030124リンク変更、040122R4、041212R4A、070624R4A2、090511R4BY、100412R4B。