吉岡心平のマーク

タキ300形302

私有貨車

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タキ250形
タキ400形

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[ロット表]


タキ314

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第299週
第301週

積荷
●構造

入口


 今週で週代り解説も300週を迎える。いやはや我ながら飽きずに続けたものだ。
 今回は語呂合わせではないが、タキ300形を解説しよう。

 タキ302は昭和13年4月新潟で、302〜306の5両ロットで製作された。タキ300と301が若くして消滅したため、我々戦後派のファンにとっては実質上のトップナンバーとして珍重される存在だったのも、懐かしい思い出である。

 設計比重は1.8・タンク容積は16.6m3で、戦後製より比重はやや低めである。
 タンク体は普通鋼製で、板厚は胴板10mm・鏡板12mm、寸法は直径1,665mm・長さは8,060mmであった。センタアンカは前後2箇所に分かれている。

 荷役装置は空気圧による上出し方式で、落成時はカセイソーダ専用車のように液出・空気管共に3方弁とS字管を装備していたが、腐食による保守困難のため、戦後廃止された経緯がある。
 台枠は戦前の新潟製に良く見られる側梁省略形で、長さは9,100mm・BC間距離は6,000mmと戦後製より長い。ブレーキはKD+手、台車はTR20であった。

 落成時の所有者は日本鉱業KK・常備駅は助川(後の日立)であった。戦争に伴う統制・合併で所有者は昭和18年10月日本硫酸配給統制KK、昭和19年5月日本硫硝酸統制、敗戦後は日本硫硝酸KKと変わり、昭和23年10月日本鉱業KKに復帰した。常備駅は一生を通して日立駅のままで、掲載写真も同駅での撮影である。昭和51年3月に廃車となった。


【第300週】060528作成R4A、070624R4A2、081107R4BY。

タキ300形302の写真

【写真300】 タキ300形302 昭和49年5月11日 日立駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第9巻に「P00521」として収録されています。