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タキ23600形23611 |
私有貨車 |
○ |
形式 |
番号 |
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●積荷 |
■入口 |
火山国である我国では、硫黄は温泉とともに特産物で、かつて軽井沢駅でワ10000形にバラ積みされていた姿が目に浮かぶ。ところが石油の脱硫で硫黄が副生されるようになると、石油コンビナートが硫黄の主産地になったのだから、世の中不思議なものだ。 液体硫黄の鉄道輸送は国鉄主導でスタートしたため、タンク車の基本設計は各メーカー共通となった。昭和47年10〜11月に落成した第一陣の車両達は、富士重・三菱・日車の3メーカーで、3ユーザー向けに5ロット17両が製作されたが、基本構造と主要寸法はすべて同一とされている。 タキ23611は昭和47年10月日車製で、 |
23606〜12の7両が製作されたうちの一両である。液体硫黄の輸送温度は140〜150℃とタンク車の積荷では最も高温なので、タンク体の周囲を厚さ200mmのグラスウール断熱材で被覆していた。このため中に隠されたタンク体は、タキ300形並みのサイズとなっている。 所有者は三井物産KK・常備駅は甲子であった。硫黄は主として硫酸や硫化ソーダの原料として消費されたため、着駅は肥料や製紙メーカーが主だったようだ。高温の積荷を運ぶため、タンク体や断熱材の損耗が激しく、昭和55年10月にはタンク体の更新を受けた。昭和63年3月には北硫産業KKに異動したが、平成6年7月に廃車となっている。 |
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■主要諸元 製造年 昭和47年10月 製造所 日車 設計比重 1.78 タンク容積 19.6m3 ●上廻り タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス |
タンク材質 普通鋼 タンク板厚 胴板9・鏡板12mm タンク直径 1,700mm タンク長さ 9,430mm 保温設備 厚さ200mmグラスウール 加熱設備 蒸気加熱管 ●荷役方式 荷役方式 上入れ上出し式 |
●下廻り 台枠形式 平形 長さ 10,500mm BC間距離 7,200mm 留置ブレーキ 両側 空気ブレーキ KE305形 台車 TR41C形 |
【写真49】 タキ23600形23611 昭和49年3月4日 村田駅にて P:吉岡心平