吉岡心平のマーク

タキ23600形23611

私有貨車

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タキ23500形
タキ23650形

 番号
解説

タキ23602
タキ23619

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第48週
第50週

●積荷
●構造

入口


 火山国である我国では、硫黄は温泉とともに特産物で、かつて軽井沢駅でワ10000形にバラ積みされていた姿が目に浮かぶ。ところが石油の脱硫で硫黄が副生されるようになると、石油コンビナートが硫黄の主産地になったのだから、世の中不思議なものだ。

 液体硫黄の鉄道輸送は国鉄主導でスタートしたため、タンク車の基本設計は各メーカー共通となった。昭和47年10〜11月に落成した第一陣の車両達は、富士重・三菱・日車の3メーカーで、3ユーザー向けに5ロット17両が製作されたが、基本構造と主要寸法はすべて同一とされている。

 タキ23611は昭和47年10月日車製で、

23606〜12の7両が製作されたうちの一両である。液体硫黄の輸送温度は140〜150℃とタンク車の積荷では最も高温なので、タンク体の周囲を厚さ200mmのグラスウール断熱材で被覆していた。このため中に隠されたタンク体は、タキ300形並みのサイズとなっている。

 所有者は三井物産KK・常備駅は甲子であった。硫黄は主として硫酸や硫化ソーダの原料として消費されたため、着駅は肥料や製紙メーカーが主だったようだ。高温の積荷を運ぶため、タンク体や断熱材の損耗が激しく、昭和55年10月にはタンク体の更新を受けた。昭和63年3月には北硫産業KKに異動したが、平成6年7月に廃車となっている。


■主要諸元
製造年   昭和47年10月
製造所   日車
設計比重 1.78
タンク容積 19.6m3

●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板9・鏡板12mm
タンク直径 1,700mm
タンク長さ 9,430mm
保温設備 厚さ200mmグラスウール
加熱設備 蒸気加熱管
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      10,500mm
BC間距離  7,200mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C形

タキ23600形23611の写真

【写真49】 タキ23600形23611 昭和49年3月4日 村田駅にて P:吉岡心平


【第49週】010805作成、040122R4、050425R4A、070824R4A2、090511R4BY、100817R4B、130910
諸元追加+R4C。