吉岡心平のマーク

タキ23650形23650

私有貨車

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タキ23600形
タキ23700形

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ロット表


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特別編606
特別編608

●積荷
●構造

入口


 毎年7月は、失われた形式を偲ぶのが恒例となっている。今回は平成16年度に形式消滅した形式から、未解説のタキ23650形を取り上げよう。

 タキ23650形はタキ1500形を転用した34トン積液体硫黄専用車で、昭和57年9月日車で2両改造された。種車のタキ15588と15592は何れも昭和37年12月日車支店製で、日石輸送向で初めてゴム緩衝器を用いたロットを選択した。

 転用改造では、種車の台枠以下を利用し、新製したタンク体を搭載した。このため新車であるタキ23600形に比べると、いささか自重が過大となり、荷重が1トン減の34トンとされたため、結果的に新形式となっている。
 液体硫黄は溶融下で輸送するため、タンク体は重保温を要すると共に、高温下での材質劣化を考慮した設計が肝要である。また近代タンク車の定番である耐候性高張力鋼は含有する銅が硫黄と反応するため、使用に適さない。

 このため新製したタンク体は昭和53年製のタキ23627〜31と同一構造とされ、寸法だけを変更した。具体的には、材質は溶接構造用圧延鋼(SM490A)で、内面に高温酸化を防ぐためのアルミニウムメタリコン処理を施した。寸法は転用台枠に合わせたため、直径1,550mm・長さ11,260mmといささかアンバランスとなった。タンク周囲には厚さ200mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセが、内部にはステンレス製の蒸気加熱管が設置けられた。受台は押え金方式だが、台枠幅の制約から変わった形となっている。
 台枠以下は種車をそのまま流用したもので、長さ12,900mmの平形台枠に空気+手ブレーキとTR41C台車を組合せたものであった。

 所有者は日本石油輸送KK・常備駅は落成時の東高島から平成元年3月に郡山に変わった。実運用は石油精製の副生硫黄を根岸から二本木に輸送していたようである。平成16年9月に2両一緒に廃車となった。


タキ23600形のロット表 先輩格の新製形式で35トン積。


■主要諸元
改造年   昭和57年9月
改造所   日車
設計比重 1.78
タンク容積 19.1m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス
タンク材質 溶接構造用鋼(SM50A)
タンク内面 アルミニウムメタリコン
タンク板厚 胴板8・鏡板9mm
タンク直径 1,550mm
タンク長さ  11,260mm
保温設備 厚さ200mmグラスウール
加熱設備 蒸気加熱管
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   平形
台枠長さ   12,900mm
BC間距離  9,600mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形
台車      TR41C形

タキ23650形のロット表

ロット 番号 製造年 改造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
23650,23651 S5709▲ 日車 タキ1500 15588,15592 日本石油輸送KK

タキ23650形23650の写真

【写真1607】 タキ23650形23650 平成7年9月24日 根岸駅にて P:吉岡心平


【特別編607】050712作成R4A、070402リンク変更、071129R4A2、081002R4BY、090416ロット表R3追加、130521諸元追加+R4C。