吉岡心平のマーク

タキ7750形37773

私有貨車

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タキ7700形
タキ7800形

 番号
[ロット表]

タキ37759

タキ37798

 ページ
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第43週
第45週

積荷
●構造

入口


 タキ7750形は濃硫酸のタキ5750形と共に、最近の化成品タンク車を代表する形式だ。

 タキ37773は、昭和48年12月富士重で製作されたタキ37773〜37775からなるロットの一員である。外観・構造は通常のタキ7750形と変わらないように見えるが、実はブレーキ構造の試験車であった。これについて話し出すと長くなるのだが・・・

 昭和48年末は、私有貨車用標準台車がTR41CとTR41DからTR41EとTR41Gに移行した時期であった。TR41EとGが装備するレジンシューは、鋳鉄制輪子より低速域の摩擦係数が低いため、入換え時のブレーキ操作では、これまでより強い力が必要である。ところが側ブレーキは車両

限界によりブレーキテコのストロークが制限されるため、ブレーキ倍率の向上は困難であった。
 そこで本ロットを含むタキ37768〜75は、暫定的に鋳鉄制輪子用の大型ブレーキシリンダのまま手ブレーキを採用した。一方、タキ37776はブレーキシリンダをレジンシュー用に小型化し、改良形両側ブレーキの組合せで試作された。両者を比較した結果、量産車はこれらの利点を折衷した小型ブレーキシリンダと手ブレーキの組合せとすることになった。
 こうして昭和41年頃に始まった「私有貨車の側ブレーキ化」の流れは終息し、その後は手ブレーキが私有貨車の標準となり、現在に至る。

 所有者は錦商事KK・常備駅は勿来で、平成14年7月時点では、今なお現役のようである。


●参考文献 私有貨車セミナー第151回(レイルマガジン271号掲載)。


タキ7750形37773の写真

【写真44】 タキ7750形37773 昭和49年4月23日 越中島駅にて P:吉岡心平


【第44週】010701作成、020728リンク追加、020905本文修正、040415R4、050327R4A、070601参考文献
追加、070821R4A2、100903R4B。