タム6900形6903 |
私有貨車 |
○ |
形式 |
番号 |
ページ |
●積荷 |
■入口 |
その昔、大都会の貨物駅は交通至便な所にあったものである。東京の汐留・大阪の梅田などが有名だが、横浜も例外ではなかった。横浜駅東口を出て数分歩くと高島貨物駅があり、古いファンにはC56で有名な横浜機関区で名を知られていた。いっぽう貨車ファンにとって嬉しかったのは、高島貨車区への検査待ちで留置された私有貨車が、良い位置で撮影出来ることにあった。 タム6900形は15トン積アクリルニトリル専用車で、新製車とタム3700形からの改造車に二分される。前者は6900〜6903で、昭和33年から34年にかけて富士重で製作された。後者は6904以降で、昭和34〜35年に日立でタム3700形メタノール専用車の3700〜3702から改造されている。 |
タム6903は昭和34年10月富士重製で、異様にドームがでかいヘンテコなタンク車であった。 本形式の特徴はその中途半端なポジショニングにあった。その第一は、毒性の高い積荷に対応してバルブの保護プロテクタや液面計の設置などの対策が施されているが、その施策が所有者によりまちまちで、後年のように統一されていないことが挙げられる。第二のポイントは、タンク車の主流がタムからタキへ移行する時期に製作されたため、本形式とタキ6900形とが同時期に誕生したが、量産されたのはタキに限られていたことである。 所有者は日東化学工業KK・常備駅は新興であった。アミン水溶液などを輸送することで余命を繋いでいたが、昭和53年6月に廃車となった。 |
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●同一専用種別 タ3800形3801 昭和35年日立でタ3505を改造、住友化学工業KK向の11トン車。 タサ4600形4600 本車とほぼ同時に製作された改造車、20トン積。 |
【写真3】 タム6900形6903 昭和49年10月17日 高島貨物駅にて P:吉岡心平