Faccs オーストリア
【HOME】 【欧州の貨車】 ▲前の形式 ▼次の形式
Faccs → チェコスロベニアドイツオーストリア

オーストリアのF → FcsFaccsFaccns
F 特殊無蓋貨車
a 4軸[2軸ボギー]
cc 両側同時又は片側選択
 低位置重力落下荷卸
(荷卸し途中停止可能)

s 積車最高速度100Km/h
■Faccs
 積車最高速度が100km/hで、両側面又は片側面の低位置から重力落下により荷卸し(途中停止可能)を行う機能を有する2軸ボギー無蓋ホッパ車である。
 形式番号(Technical characteristics )の上3桁は写真から判断すると699が割り当てられている。
 オーストリアのFaccs形の形式番号は6992が確認されている。
★c,cc,l,ll,o,oo,p,ppの相違                        .
放出高さ
 c,l,o,p(top:高位置):レール面上0.7m以上の高さから放出およびベルトコンベア利用
 cc,ll,oo,pp(bottom:低位置):レール面上0.7m未満の高さから放出(荷卸)
放出方式
 l,ll,o,oo(bulK:全):放出を途中で止めることができない
 c,cc,p,pp(Controlled:制御):放出を途中で止めることが可能

●ÖBB、RCW、RCの関係
 オーストリア連邦鉄道Österreichische Bundesbahnenは1992年に政府系公社から国有の特殊会社に転換後、2005年に旅客・貨物・施設2社・ITおよび労務の5社に分割され、これら5社の持ち株会社としてÖBBホールディング会社の組織となった。貨物部門はRail Cargo Austria AGとなった。さらにRail CargoグループとしてはRail Cargo Austriaで運用する貨車の保有・管理会社としてRail Cargo Wagonが設立され、全車Rail Cargo Austria AGへリースされている。以上のことから、貨車の所有者標記にはÖBBまたはRCWのどちらかが標記されているが、所有はRail Cargo Wagon(所有者コードRCW)であり、運用はRail Cargo Austriaとなる。
   2020.3.2作成 2023.1.17誤記訂正
流し板付上下2段側開き式無蓋ホッパ車
31 81 6992 016-8 RIV A-ÖBB Faccs  撮影:佐藤浩樹 2018.8.14 Linz Hbf(オーストリア)
国-所有者 オーストリア ÖBB    ■相互運用性 31 ■形式番号 6992 撮影済番号002…016(2輌)
S(100km/h)荷重33.0t(A 軸重16t)~44.0t(C 軸重20t)
自重21.00t 容積25.0m3 全長10.64m 固定軸距6.50m  台車:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:2 荷卸し方式:可変流し板付上下2段側開き式(手動操作)
 オーストリア連邦鉄道Österreichische Bundesbahnenグループのインフラ会社ÖBB-Infrastruktur所有のバラスト等輸送用の 底開き式無蓋ホッパ車。所有者コードは ÖBBで、車体にInfrastruktur Betriebと標記されている。
 車体は前後2つのホッパーに分かれ、それぞれのホッパ両側面には中間部と底部の上下2か所に側扉を設け、さらに、それぞれに可変式のシューター(流し板)を設けた他に類を見ない構造である。片側のデッキには中間部と底部の上下2か所の側扉開閉操作部が設けられている。写真右側に見える多数のレバーがその操作用で、上段には昼間部の側扉開閉用の片側2本左右4本のレバーが、下段には底部側扉開閉用の左右4本のレバーが装備されていて、左右上下4か所の側扉を個々に開閉することができる。このためレバー操作軸から延長された駆動軸は写真右側の側扉を開閉する駆動軸中空軸と、その中空軸の中を写真左側の側扉を開閉する駆動軸が通っている。シューター(流し板)は台枠側梁に設けられた可変レバーにより真下と斜め横に方向をセットする。
流し板付側開き式無蓋ホッパ車
31 81 6992 060-6 RIV A-ÖBB Faccs 撮影:佐藤浩樹 2017.8.15 Hall in Tirol(ドイツ)
国-所有者 オーストリア ÖBB    ■相互運用性 31 ■形式番号 6992 撮影済番号037…074(4輌)
S(100km/h)荷重41.0t(A 軸重16t)~54.0t(C 軸重20t)
自重23.00t 容積38.0m3 全長10.64m 固定軸距7.50m  台車:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:2 荷卸し方式:クラッパー板付側開き式(手動操作)
 上写真の016と同様にÖBB-Infrastruktur所有の底開き式無蓋ホッパ車で、ホッパ容積が25m3から38.0m3へと1.5倍に大きくなり、左右4か所あった側扉が無くなり、底部の左右前後4か所の側扉に変更になり、シューターも1か所当たり外内2枚のクラッパーに変わり、バラストの放出方向を成業できる構造に進化し、その操作レバーがデッキ奥に設けられている。
31 81 6992 087-9 RIV A-ÖBB Faccs 撮影:佐藤浩樹 2018.8.14 Linz Hbf(オーストリア)
国-所有者 オーストリア ÖBB    ■相互運用性 31 ■形式番号 6992 撮影済番号087(1輌)
S(100km/h)荷重44.0t(A 軸重16t)~47.5t(C 軸重20t)
自重20.00t 全長13.74m 固定軸距8.70m  台車:板側枠板ばね(両抱式)台車
ホッパ数:2 荷卸し方式:クラッパー板付側開き式(手動操作)
 ÖBB-Infrastruktur所有の底開き式無蓋ホッパ車で、上写真060に比べ全長が約3m長くなりホッパ形状が異なり。台車が板側枠に板ばねののもとなった。側扉の個数と開閉機構は060と同様である。
31 81 6992 184-4 RIV A-ÖBB Faccs 撮影:佐藤浩樹 2018.8.14 Linz Hbf(オーストリア)
国-所有者 オーストリア ÖBB    ■相互運用性 31 ■形式番号 6992 撮影済番号104…192(4輌)
S(100km/h)荷重39.0t(A 軸重16t)~58.5t(C4 軸重20t)~66.5t(D4 軸重22.5t)★★(指定線区120km/h)
自重23.50t 容積37.5m3 全長12.54m 固定軸距7.50m  台車:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:2 荷卸し方式:クラッパー板付側開き式(手動操作)
 オーストリアの貨車レンタル会社Rail Cargo Wagon所有でÖBBグループRail Cargo(所有者コードÖBB)で運用されている、側開き式無蓋ホッパ車で、上写真の060と同一構造同一外観であるが、最大荷重が軸重22.5t線区対応の66.5tとなった。規定では最大荷重が60トンを超えると形式記号にnが付き、本Faccnsとなる。このように実態とそぐわない形式記号が他にもあり、単なる誤記なのか意図的なものなのかは分からない。
【HOME】 【欧州の貨車】 ▲前の形式 ▼次の形式
Faccs → チェコスロベニアドイツオーストリア