吉岡心平のマーク

タム3050形13053

私有貨車

 形式
索引

タム3000形
タム3100形

 番号
[ロット表]

タム13051
タム13057

 ページ
索引

特別編629
特別編631

積荷
●構造

入口


 今回はタム3050形のトップナンバーを取り上げる。「13053が何故トップ?」と聞かれそうだが、実は一旦他形式になって、再び戻った際に別番号となってしまったのである。

 タム13053は、元来タム3050として昭和29年6月汽車大阪で50〜52からなる3両ロットの一員として製作された。ホルマリン専用車とメタノール専用車は相互に転用される例が多いが、昭和31年8月、本車も11トン積メタノール専用車に改造されタ3500形3500となった。改造とは言え実態は専用種別変更で、改造点は担いバネの変更やブレーキ率の調整程度であったと思われる。その後、需給の変化により、昭和34年10月には再びホルマリン専用車に戻されたが、この際当時のラストナンバーの続番としたため、原番号から大きく離れた13053となったのである。

 メーカーの汽車は我国初のアルミタンク車を製作した会社だけに手堅い作りで、構造は同社が3年前に製作したタム2400形を模倣したものだ

が、当時は既に三菱・日立がアルミタンク車の欠点である強度不足の改善に取り組んでいたため、本車もタンク受台の大型化などその一部を取り入れている。タンク寸法は、直径1,640mm・長さ6,768mmで、腰が高いのはキセの追加を考慮したためであろうか。
 荷役方式は空気圧による上出しで、このためタンク下部には吐出管がない。本形式でもタム100形の転用車を擁していたユーザーは、これと共用するためこのタイプを好んだようだ。
 台枠は平形で、長さ7,200mm・4,000mmと当時の無蓋車とほぼ同等である。走り装置は1段リンクから、ヨンサントウで2段リンク化された。

 落成時の所有者は住友化学工業KK・常備駅は新居浜から同年10月桜島となった。昭和31年8月から34年10月の間はタ3500形3500に形式変更され、復元時に現番号となった。昭和49年度に広栄化学工業KK所有・岳南富士岡駅常備、昭和54年2月に日本石油輸送KK所有・南港駅常備と変遷し、昭和62年11月に廃車となった。


【特別編630】051110作成R4A、070526R4A2、080926R4BY。

タム3050形13053の写真

【写真1630】 タム3050形13053 昭和45年3月11日 別府港駅にて P:坂内定比古

【坂内さんから貴重な写真を提供して頂きました】