吉岡心平のマーク

タ4000形4000

私有貨車

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タ3900形
タ4100形

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[ロット表]


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特別編614
特別編616

●積荷
●構造

入口


 明治の御世ならいざ知らず、昭和になってから作られた「タ」には大抵曰くがある。大半はタムを低比重積荷に転用したため、荷重が減少したものだが、今回取り上げたのは最後の新製「タ」として有名な形式だ。

 タ4000形は10トン積のスチレンモノマー専用車で、昭和36年7月三菱で製作された。一形式一両であった。
 当時は石油化学の勃興時代で、本形式も我国最初のスチレンモノマー専用車として誕生した。本来この積荷はコンビナート内で大量消費され、タンク車輸送するような代物ではない筈だが、本車はファインケミカル用途、恐らくイオン交換樹脂原料としてタンク車輸送されたものと思われる。

 タンク材質は純度保持のためステンレス鋼とし、寸法は直径1,635mm・長さ5,736mmと小さい。周囲には厚さ100mmのグラスウールと薄鋼板からなる保冷キセがあった。
 荷役方式は通常の上入れ下出し方式で、形式図では吐出管がなくタンク直下に排出するようになっているが、写真には吐出管が見えるので、後天的に設置されたのだろう。
 台枠は平形で、長さは6,700mm・軸距は3,900mm、走り装置は2段リンク式であった。

 所有者は三菱油化KK・常備駅は塩浜で、黒崎の三菱化成に運用されていた。晩年はタキ19500形などに主役を譲り、専用線内で長期留置となっていたが、昭和59年3月に廃車となった。


●同一専用種別 タキ800形800 昭和38年三菱製で、本形式を拡大した30トン車。

           タキ19500形19501 昭和45年日立製で、キセ付き35系採用の35トン車。


タ4000形4000の写真

【写真1615】 タ4000形4000 昭和57年7月18日 塩浜駅にて P:吉岡心平


【特別編615】050818作成R4A、070604R4A2、081002R4BY、130829R4C。