吉岡心平のマーク

タキ800形800

私有貨車

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タキ750形
タキ850形

 番号
[ロット表]


 ページ
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特別編39
特別編41

●積荷
●構造

入口


 タンク車の両数表では、古い形式と新しいものが交互に現れるが、これはタキ10000まで到達した後の続きはタキ150から50番刻みで穴を埋めて行ったことが原因である。タキ800形もこの穴埋めで誕生した形式で、戦争末期に計画されたアルコール専用車が敗戦で計画倒れになったため生じた空番であった。顛末はトワイライトゾーンマニュアル9収載の拙稿「幻の私有貨車」に詳しいので、お持ちの方は参照頂きたい。

 タキ800形は昭和38年12月に三菱で製作された30トン積スチレンモノマー専用車で、一形式一両の珍車だ。昭和36年に製作されたタ4000形の増備車である。
 タンク材質は純度保持のためステンレス(SUS304L)製で、寸法は直径1,900mm・長さは

12,150mmと大型である。タンク周囲には積荷の変質を防止するため、厚さ100mmのグラスウールを用いた保冷用キセがある。タンク両端に洗浄液注入用のボールバルブを持つため、タンク踏板はタキ3900形のように延長され、タンク底面には洗浄効果を高めるための傾斜板がある。
 荷役方式は通常の上入れ下出し方式だが、液出管はなくボールバルブの出口が真下を向いていた。
 台枠は通常の平台枠だが、長さは13,000mmとタキ3000形並である。ブレーキ装置は大自重車向のKE形、台車はTR41Cであった。

 所有者は三菱油化KK・常備駅は塩浜で、九州は黒崎の三菱化成KKへスチレンモノマーを輸送していたようだ。昭和59年3月に廃車となった。


●同一専用種別 タ4000形4000 昭和36年三菱製で、本形式の基となった10トン車。

           タキ19500形19501 昭和45年日立製で、キセ付き35系採用の35トン車。


■主要諸元
製造年   昭和38年12月
製造所   三菱
設計比重 0.9
タンク容積 33.4m3
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
●上廻り
タンク材質 ステンレス鋼(SUS304)
タンク板厚 胴板8・鏡板10mm
タンク直径 1,900mm
タンク長さ 12,150mm
熱絶縁   厚さ100mmグラスウール
●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   平形
台枠長さ   13,000mm
BC間距離  9,700mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KE305形
台車      TR41C形

タキ800形800の写真

【写真1040】 タキ800形800 昭和51年3月17日 塩浜駅にて P:吉岡心平


【特別編40】010325作成、020722本文修正、040124R4、050510R4A、080625R4BY、131205諸元追加+
R4C。