吉岡心平のマーク

タ2600形2622

私有貨車

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タ2400形
タ2800形

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[ロット表]


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特別編588
特別編590

積荷
●構造

入口


 昭和23年、東洋レーヨンでは自社用化成品の輸送のため、タンク車の増備を計画した。資材の乏しい折とあって、考案されたのが焼け出された国鉄貨車の台枠を用いる所謂「戦災復旧車」であった。一方、上に載せるタンク体は、自社工場で使用していた余剰中古タンクを改造の上、転用することにした。まさにウルトラC級の技である。

 タ2600形は11トン積カセイソーダ液専用車で、半端な荷重から判るように、元来はタ1600形10トン積ニ硫化炭素専用車を専用種別変更した形式である。昭和18年にタ1601〜03を種車に、2600〜02の3両が誕生した。
 今回取り上げる戦災復旧車は、昭和23年東洋レーヨンが製作した20両で、続番となるタ2603〜22が1〜8月にかけて製作された。タ2600形に類別された理由は、たまたま使用した中古タンク体のサイズから11トン積になったためである。
 余談だか、その後の増備がタム900形15トン車に移行したのは、中古タンク体が品切れになったためである。

 タンク体は、レーヨン溶解缶と思われるものの転用である。組立は両端が鋲接・中央は溶接で、これは長さを台枠に合せるためと、強度を要するセンタアンカ部附近は新製したことによる。両端は中古品のため、穴を塞いだ跡や不思議な突起などが見られた。また種タンクには溶接もあったようで、一部の車両は全て溶接組立となっている。
 タンク固定はセンタアンカ方式で、受台は車体中央寄に小型のもの4個、帯金も中央寄に2本と、既に東洋レーヨン製の特徴が見られる。
 台枠は戦災国鉄貨車のもので、写真の車両は端梁形状や低い位置にある中梁から、明らかに冷蔵車出自である。走り装置は1段リンクから、ヨンサントウで2段リンク式に改造された。

 落成時の所有者は東洋レーヨンKK・常備駅は石山であった。その後住友商事KKに移り、国富駅常備となった。写真は南九州にC55を撮影に行った際に撮影したもので、徳山曹達KKに貸し出され周防富田駅を基地に使用されていた。昭和52年7月に廃車となった。


●関連形式 タム7400形7400 タ2600形2603の改造車で、全溶接タンク体の例。


タ2600形2622の写真

【写真1589】 タ2600形2622 昭和46年8月 加治木駅にて P:吉岡心平

冷蔵車台枠は排水のため中梁が低く横梁が傾斜している。タンク受台が内傾しているのはこのため。


【特別編589】050514作成R4A、070912R4A2、090113R4BY、130501R4C。