タ2600形2622 |
私有貨車 |
形式 |
番号 |
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ページ |
●積荷 |
■入口 |
昭和23年、東洋レーヨンでは自社用化成品の輸送のため、タンク車の増備を計画した。資材の乏しい折とあって、考案されたのが焼け出された国鉄貨車の台枠を用いる所謂「戦災復旧車」であった。一方、上に載せるタンク体は、自社工場で使用していた余剰中古タンクを改造の上、転用することにした。まさにウルトラC級の技である。 タ2600形は11トン積カセイソーダ液専用車で、半端な荷重から判るように、元来はタ1600形10トン積ニ硫化炭素専用車を専用種別変更した形式である。昭和18年にタ1601〜03を種車に、2600〜02の3両が誕生した。 |
タンク体は、レーヨン溶解缶と思われるものの転用である。組立は両端が鋲接・中央は溶接で、これは長さを台枠に合せるためと、強度を要するセンタアンカ部附近は新製したことによる。両端は中古品のため、穴を塞いだ跡や不思議な突起などが見られた。また種タンクには溶接もあったようで、一部の車両は全て溶接組立となっている。 落成時の所有者は東洋レーヨンKK・常備駅は石山であった。その後住友商事KKに移り、国富駅常備となった。写真は南九州にC55を撮影に行った際に撮影したもので、徳山曹達KKに貸し出され周防富田駅を基地に使用されていた。昭和52年7月に廃車となった。 |
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●関連形式 タム7400形7400 タ2600形2603の改造車で、全溶接タンク体の例。 |
【写真1589】 タ2600形2622 昭和46年8月 加治木駅にて P:吉岡心平
冷蔵車台枠は排水のため中梁が低く横梁が傾斜している。タンク受台が内傾しているのはこのため。