吉岡心平のマーク

タキ24300形24352

私有貨車

 形式
索引

タキ24100形
タキ24400形

 番号
ロット表

タキ24320

 ページ
索引

特別編501
特別編503

●積荷
●構造

入口


 岡崎在住の筒井さんのリクエストは、岡多線のシンボル的存在だったタキ24300形だ。

 タキ24300形は35トン積テレフタル酸専用車で、昭和43〜52年に三菱で3ロット61両が製作された。積荷はテトロンやPETボトルの原料で、見掛比重0.8の白色粉末である。

 タキ24352は胴形式の最終ロットとして、昭和52年2〜10月に24329〜24360の32両が製作されたうちの一両である。

 本形式の特徴は、粉体輸送用であるにも拘らず35系タンク車の基本設計を採用した点にある。これはセメント専用車に代表されるタンクと台枠を一体化した設計が、ステンレス製のタンク体に適さなかったためだろう。
 設計比重は0.8・タンク容積は43.7m3だが、実際のタンク体は底面にエアスライド用の傾斜板を持つため極めて大型である。

 ステンレス鋼製のタンク体は、粉体用のため板厚は胴板・鏡板共に6mmと薄く、通常のC3タイプに代えて魚腹形のF3タイプ異径胴を採用した。タンク寸法は両端直径2,200mm・中央直径2,700mm・長さ12,200mmと巨大であった。
 タンク内部には荷卸しのためエアスライド装置が二列設置され、その動作は地上から供給される窒素によった。初期形で紆余曲折あった積込口は最初から中央の一箇所となり、操作配管も簡素化されたタイプである。
 台枠は35系台枠で、ブレーキは積空+手、台車はTR225である。 所有者は三菱化成工業KK・常備駅は黒崎であった。

 所有者名は三菱化成KK→三菱化学KKと変遷したが、運用は一貫して黒崎の工場から北岡崎の日本エステルKKとの間であった。山陽線の貨物列車に7〜8両連結されている姿が懐かしく想い出される。本車はその終焉まで残ったうちの一両で、平成12年9月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和52年9月
製造所   三菱
設計比重 0.8
タンク容積 43.7m3
●上廻り
タンク形態 魚腹(F3)形異径胴
タンク材質 ステンレス鋼
タンク板厚 胴板・鏡板6mm
タンク両端直径 2,200mm
タンク中央直径 2,700mm
タンク長さ 12,200mm
●荷役方式
荷役方式 エアスライド式
●下廻り
台枠形式   35系変形
長さ      13,100mm
BC間距離  9,800mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KSD180−254形積空
台車      TR225形

タキ24300形24352の写真

【写真1502】 タキ24300形24352 昭和62年5月 岡崎駅にて P:筒井俊之

【筒井さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編502】040709作成R4、050411R4A、070530R4A2、080816R4BY、100409R4B、130411R4C。