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タキ200初代形200初代

私有貨車

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タキ150形
タキ200二代形

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[ロット表]


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特別編492
特別編494

積荷
●構造

入口


 今回は黎明期のボギータンク車を取り上げる。

 タキ200初代形は25トン積ベンゾール専用車で、昭和5年3月新潟で1両製作された。所有者は三井鉱山であった。
 戦前期の三井鉱山の私有貨車には謎が多い。本形式を初めとして昭和7年にはタキ300形と大型車を増備したが、両者は昭和13年に忽然と除籍されたのだ。またレーヨン曹達所有のタキ400形トップナンバーも同時に除籍されたが、調査の結果、これまた真所有者は三井鉱山であることが判った。これは一体何を意味するのか・・・
 以下は推定だが、どうも線内用タンク車の増強に使われたようだ。本形式はタンク体だけが戦後復活したこと、タキ400形トップは、台枠を転用したと思しき線内用濃硫酸タンク車(タオ18)が在籍したことから、これ等2形式は時期は不明だが、タンク体を濃硫酸用のものと交換したようだ。

 タンク体は鋲接で、受台は当時流行したタンク体との間に硬木を挟んだもので、帯金はタンク中央にもあり3本である。この辺りの作りはタサ500形3軸車にも敷衍されているので、興味のある方は拙著「3軸貨車の・・・」をご覧頂きたい。またドームが偏寄しているのはセンタアンカ部と吐出管の干渉を避けたためだろう。
 台枠は、写真を良く見れば判るように中梁が魚腹形となっている。当時はボギータンク車の設計プラクティスが確立される前であり、このような設計となったのだろう。台車は一見TR20のように見えるが、独自設計のものだ。

 所有者は三井鉱山KK・常備駅は大牟田であった。昭和5年7月に専用種別はベンゾールから「種別なし」に変更され、昭和13年4月に除籍されたが、タンク体は戦後タキ850形の上廻りとなって奇跡の復活を遂げている。


●関連形式 タキ850形850 昭和28年若松製、タンク体の形状から本車のタンク体を用いた復元車と推定。


【特別編493】040526作成R4、040529リンク追加、050419R4A、070824R4A2、090521R4BY。

タキ200初代形200初代の写真

【写真1493】 タキ200初代形200初代 P:吉岡心平所蔵