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タキ850形850

私有貨車

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タキ800形
タキ900形

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特別編136
特別編138

積荷
●構造

入口


 今回紹介するタキ850形は、若松車両製タンク車の一例であると共に、三井三池のタンク車の奇怪さを示す好例と言ってよいだろう。

 公式資料によればタキ850形は一形式一両の25トンベンゾール専用車で、昭和28年若松車両で製作されたとある。

 ところが現車を見てびっくり!! タンク体は鋲接で、台枠はそれに比べて小さく、いささかアンバランスだ。外観からは、古いタンク体をサルベージしてきた改造車としか思えないのであった。

 結論を言おう。本車はタキ200初代形のタンク体を流用した更正復元車だったのである。  タキ200形初代は昭和5年3月新潟で製作された25トン積ベンゾール専用車であったが、昭和13年

4月に突然除籍された。日付は特別編4で紹介したタキ300形300、301の除籍日と同一である。これ以降は史料に基づく推定だが、三池線内での濃硫酸需要が急増したため、タンク体を新製して濃硫酸タンク車に改造されたらしい。このためベンゾール用のタンク体は余剰となったが、これを戦後活用したのが本車のようである。
 台枠以下はタンク体に合わせて新製したようだが、幅が狭く、オーバーハングが異様に長い点から見ると、これまた余剰品の活用かもしれぬ。台車はTR20だったが、第一次台車改造でTR41Dに振替られた。

 所有者は三井化学工業KK・常備駅は大牟田であった。常備駅は一時期宮浦となったが、これは専用鉄道と地方鉄道との行き来によるものらしい。昭和52年12月に廃車となった。


●関連形式 タキ200初代形200初代 昭和5年新潟製、三井鉱山KK所有だったが、昭和13年除籍。


【特別編137】011220作成、021104リンク変更、040124R4、040529リンク追加、050425R4A、070916R4A2、
090426R4BY。

タキ850形850の写真

【写真1137】 タキ850形850 昭和50年7月26日 仮屋川信号場にて P:吉岡心平