吉岡心平のマーク

タキ10350形10350

私有貨車

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タキ10300形
タキ10400形

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ロット表


 ページ
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特別編482
特別編484

●積荷
●構造

入口


 タキ6900形からの転用車については、既にタキ6500・10300形の例を紹介したが、今回はオクタノール輸送用となったクルマを取り上げる。

 タキ10350形は一形式一両の31トン積オクタノール専用車で、三菱化成が余剰のタキ6900形を転用した車両群の一員である。種車のタキ6911は昭和35年三菱製で、昭和43年8月三菱で改造した。

 同時に改造されたタキ10300形と異なり、種車の普通鋼製タンク体をそのまま用いた。寸法は直径2,050mm・長さ11,670mmであった。
 主たる改造点は、荷役設備の下出し方式への変更であった。タンク下部には仕切り弁付の吐出

管が新設され、従来の上出用配管はそのまま残された。従来のタキ7800形は円筒形の乾燥箱を装備していたが、本形式では地上から乾燥空気ないし窒素を供給するようにしたため、乾燥箱は設置せず、代わりにT字形の空気管が追加された。
 台枠以下は種車のままで、長さ12.400mm・BC間距離9,100mmであった。ブレーキシリンダは、当時の三菱製の特徴であるKC254形となっている。

 所有者は化成水島KK・常備駅は水島であった。会社名は昭和49年2月に三菱化成工業KK、昭和63年5月に三菱化成KK、平成6年10月に三菱化学KKと変わったが、常備駅は不変であった。平成7年9月に廃車となり形式消滅した。


●類似形式 タキ4150形4150 タキ6913の改造車で昭和42年若松改造。

        タキ6500形6508 タキ6906の改造車で昭和40年三菱改造。

        タキ10300形10301 タキ6908の改造車で昭和43年三菱改造。


■主要諸元
改造年   昭和43年2月
改造所   三菱
設計比重 0.81
タンク容積 37.2m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドーム付
タンク材質 普通鋼
タンク板厚 胴板9・鏡板12mm
タンク直径 2,050mm
タンク長さ 11,600mm

●荷役方式
荷役方式 上入れ下出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      12,400mm
BC間距離  9,100mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KD254形
台車      TR41C形

タキ10350形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
10350 S4302▲ 三菱 タキ6900 6911 KK化成水島

タキ10350形10350の写真

【写真1483】 タキ10350形10350 昭和63年10月2日 東港駅にて P:吉岡心平


【特別編483】040416作成R4、050413R4A、070725R4A2、071125ロット表R3追加、100914R4B、131009
R4C。