吉岡心平のマーク

タ600形638

私有貨車

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タ580形
タ900形

 番号
[ロット表]


タ764

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特別編437
特別編439

積荷
●構造

入口


 今回は、明治生まれのタ600形を取り上げる。

 タ638は、明治44年12月新潟でア1843M44形1844として誕生した。同形式はア1843〜1852の10両ロットで、明治44年の改番後に誕生したため、会社毎の旧番は持たない。なお、本形式のプロトタイプは、明治42年新潟が製作した日本石油初の10トン車である「日本石油甲」1〜10(後のア1833M44形)であった。明治44年の称号規程では構造は同じでも所有者が異なれば別形式とされたため、類似車が各社に見られる。
 昭和3年の大改番では、10トン積の石油タンク車としてタ600形にまとめられたが、本車を含む一部は、9トン積揮発油専用として使用されていた。

 タンク体は鋲接の直径5フィート4インチ(1,626mm)・長さ20フィート(6,056mm)で、当時と

しては標準的な寸法・構造であった。片寄ったドームは高さが他形式より高いようだが、これはア1843M44形に固有の特徴のようだ。
 タンク体と台枠との固定は繋ぎ板による一体化方式で、タンク体はタサ1形のように台枠内に落とし込まれることなく、台枠上に位置していた。
 台枠は軸距11フィート(3,353mm)で、バッファー時代の産のため、側梁が頑丈であった。

 所有者は日本石油KKであった。大正7年3月の常備駅制定で柏崎駅常備となり、同年5月の変更で「柏崎及び沼垂」となった。これは、当時は複数駅の併用を認めていたためである。その後、昭和5年5月に石油駅常備となり、昭和16年8月には石油共販KK所有となった。戦後は日本石油に戻り、隅田川駅に常備された。写真は戦後、更新修繕を受けた際の写真のようである。昭和35年7月に廃車となった。


【特別編438】031123作成R4、050429R4A、070726R4A2、090311R4BY。

タ600形638の写真

【写真1438】 タ600形638 P:吉岡心平所蔵