吉岡心平のマーク

タキ38000形38000

私有貨車

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タキ35000形
タキ40000形

 番号
ロット表


タキ38059

 ページ
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特別編432
特別編434

●積荷
●構造

入口


 東武の貨物列車が終焉を迎えた。同社タンカートレインには、タキ38000形が多数連結されていたが、その理由は何故だったのだろう?

 タキ38000形は、タキ35000形「標準タンク車」の保安対策版で、昭和52〜54に140両が製作された。

 タキ35000形との比較では、荷重が1トン増え36トンになった点がメリットとして強調されるが、その反面、保安対策による自重増で換算両数は5.5に増加し、全長も430mm延長された。これは定数55の区間では、換算5.0のタキ35000形なら11両(=385トン)牽引出来るのに、本形式では10両(=360トン)しか連結出来ないことを意味し、輸送効率は明らかに低下していた。
 一方、古い石油基地の地上設備は、タキ3000形や9900形に合せて設計され、タキ35000形は短過ぎてマッチしなかった。そこでこれらの代替車には、車体長の長いタキ40000形や43000

形が投入されたが、東武のように軸重制限の厳しい私鉄ではそれも無理で、不人気なタキ38000形を好んで利用することになったのである。
 タンク材質は耐候性高張力鋼で、寸法は両端直径2,100mm・中央直径2,700mm、長さ11,186mmであった。タキ40000形との比較では、両端直径は同一だが、中央直径が50mm・長さは880mmと各々小形となっている。
 台枠は38系標準とされるもので、側梁には300×90mmチャンネルを利用した。長さは12,250mmとタキ35000形と比較すればこれがタキ9900形の後継として使用された理由である。ブレーキ装置は手+積空、台車は石油系タンク車で初のTR225であった。

 所有者は日本石油輸送KK・常備駅は新屋であった。便宜置籍と思われるが、何故選んだのだろうか。昭和53年3月には南港駅、昭和58年11月には駅名変更により名古屋南港駅常備となり、現在に至る。


タキ38000形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
38000〜38029 S52 日車 日本石油輸送KK
38030〜38069 S53 日車 日本石油輸送KK
38070〜38089 S53 富士重 日本石油輸送KK
38090〜38124 S54 日車 日本石油輸送KK
38125〜38139 S54 富士重 日本石油輸送KK

タキ38000形38000の写真

【写真1433】 タキ38000形38000 昭和57年7月31日 新苫小牧駅にて P:吉岡心平


【特別編433】031105作成R4、050413R4A、060612ロット表追加、060712ロット表R2、070609R4A2、090311R4BY、100902R4B。