吉岡心平のマーク

タキ9650形9650

私有貨車

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タキ9600形
タキ9700形

 番号
ロット表


タキ9663

 ページ
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特別編424
特別編426

●積荷
●構造

入口


 貨車の誕生にはいろいろなきっかけがあり、その経緯を探ることは研究者の楽しみの一つだ。

 タキ9650形は35トン積石油類専用車として、昭和41年日車で22両製作された。当時の石油タンク車はタキ45000形の出現前夜で、タキ1500,9800,10000の各形式が入り乱れて製作されていた。このような所に何故新形式を投入したのだろうか。
 その答えは、当時量産されていた99系タンク車にトラブルが生じ、その改修用の代車が必要になった際、日車が独自に開発していた本形式を投入したためである。実際には35系の対抗として開発されていたもののようだ。

 タキ9650は昭和41年6月日車支店で製作された。タンク体はタキ9800形のものに酷似するが、実際にはタキ11000形に準じた構造で、材質は

耐候性高張力鋼(YAWTEN50)を用いて重量を軽減した。ドーム直径はタキ1500形並の1,100mmとなったが、これも軽量化のためだろうか。
 台枠廻りも11系タンク車に似るが、実際には更なる軽量化のため、側梁は薄鋼板をプレス整形したもので、位置も自連中心に合せて低く、このためデッキ部も通常より一段低い。側梁表面には独特のスタイルの「強め板」が溶接されているが、興味深いのは、写真2の通り落成直後にはこれが無い点である。その後の実車試験の結果、追加されたものだろうか。
 ブレーキ装置は手+空気で積空は採用していない。台車は通常のTR41Cである。

 所有者は日本石油輸送KK・常備駅は沼垂であった。晩年は常備駅はそのままで、写真のように北海道で使用されていたが、平成14年6月に廃車となった。


●関連形式 タキ9550形9551 同一系列のガソリン専用車。


【特別編425】031004作成、040205リンク追加、040206R4、050504R4A、051208リンク追加、070726R4A2、080114ロット表R3追加、080903R4BY。


タキ9650形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
9650,9651 S4106 日車支店 日本石油輸送KK
9652〜9671 S4108〜4109 日車本店 日本石油輸送KK

タキ9650形9650の写真

【写真1425の1】 タキ9650形9650 昭和57年7月31日 新苫小牧駅にて P:吉岡心平

タキ9650形9650の写真

【写真1425の2】 タキ9650形9650 P:吉岡心平所蔵