吉岡心平のマーク

シキ610形611B2

私有貨車

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シキ600形
シキ670形

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[ロット表]


シキ613

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特別編385
特別編387

積荷
●構造

入口


 天野さんのリクエストにより、シキ610形のB2タイプを取り上げる。

 シキ610形は3−3−3−3軸複式吊掛式大物車で、昭和37〜51年に5両が日車で製作された。吊掛式では、積荷である変圧器を車体の一部とするが、結合部のヒンジ形状により、吊掛梁の形状には東芝・日立・富士電機系のB1梁と三菱系のB2梁の2種類があった。

 シキ611は昭和46年6月製で、初の物流会社所有大物車として製作された。従来は重電メーカー毎にまちまちだった大物車を、標準化する端緒となった車両である。
 外観・構造は昭和37年製の東芝向シキ610号車に酷似するが、荷受梁端部の形状など細部が改良されていた。車体は一台だが、荷役梁は東芝・日立向のB1梁と三菱向のB2梁との2組が製作された。前述したように両者はヒンジ部の構造が異なり、荷重は前者が240トンだが、後者は

235トンであった。写真はB2梁を装備した姿で、シキ610形で三菱タイプの梁を装備したのは本車が初めてであった。
 落成後は好評のうちに使用されたため、次第に梁の共用は困難となった。そこで僅か一年強でB2梁専用の車体を追加することになった。こうして写真のB2梁は昭和47年10月に一旦除籍となり、新製された車体と組合わせて、昭和48年1月に新たに塚口駅常備のシキ612として再デビューしたのである。

 所有者は日本通運KK・常備駅は新芝浦であった。その後、車体側の611は、常備駅は昭和57年2月に末広町、昭和61年3月に小山へと異動した。一方、荷受梁を引き継いだ612は、半年後の48年7月に今度はB1梁が追加された。昭和53年6月には三菱電機の赤穂工場新設により西浜信号場に移動したが、昭和51年にシキ614が増備されたため余剰となり、昭和62年1月に惜しくも廃車となった。


大物車のガイド


シキ610形611B2の写真

【写真1386】 シキ610形611B2 P:吉岡心平所蔵


【特別編386】030529作成、040527R4、050425R4A、130822R4C。