吉岡心平のマーク

タキ4700形4702

私有貨車

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タキ4650形
タキ4750形

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ロット表

タキ4700

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特別編369
特別編371

積荷
●構造

入口


 タキ4700形は30トン積希硫酸専用車で、既に改造車であるトップナンバーを紹介したが、今回取り上げるのは、唯一の新製車である4702だ。

 さて、初めに複雑な経緯を辿った日本曹達の希硫酸タンク車の異動を、再度レビューして見よう。
 まず鉛ライニングの車両として、S25にタキ1700〜02の3両、続いてS28にタキ1711〜17、22,23の9両が増備され、合計12両となった。S29には初のゴムライニング車としてタキ1700形の50番台車である1750〜52が新製され、2ケ月後には00番台からの改造で53,54が追加された。これ以降は00番台の改造減が続き、S3103に2両がタキ4700形、S3205に5両がタキ300形、S3210に2両が50番台の55,56、S3306に1両がタキ6100形にそれぞれ改造され、登場から僅か8年で、鉛ライニング車は全滅してしまうのである。

 不思議なのは、極めて短期間で鉛からゴムに改造された車両が多い事である。従って経年劣化に

によるライニング更新と言うより、積荷が変更されたと考えるのが妥当であろう。塩素分を含む廃酸や、燐酸混合液でも輸送したのだろうか。
 深読みすれば、タキ4700形と形式を分けたのも、本来異なる専用種別にするつもりだったとすれば頷けるのだが・・・

 閑話休題、タキ4702は昭和35年3月汽車東京で新製された。
 タンク体は普通鋼製で、内面は厚さ4mmのネオプレンゴムでライニングされている。タンク体は腰高で、踏板の支持部などから見ても、将来キセの追加を考慮した構造であった。
 台枠は標準的な平形で、ブレーキ装置は手+空気、台車はTR41Cであった。

 落成時の所有者は日本曹達KK・常備駅は大寺で、駅名は昭和40年6月、磐梯町に、会社名は昭和41年12月に日曹金属KKに、それぞれ改名された。昭和51年11月に改造車の4701と一緒に廃車となった。


【特別編370】030421作成、040105R4、040420リンク追加、050409R4A、070801R4A2、090108R4BY。

タキ4700形4702の写真

【写真1370】 タキ4700形4702 P:吉岡心平所蔵