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タキ5850形5862

私有貨車

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タキ5800形
タキ5900形

 番号
[ロット表]


タキ5881

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特別編341
特別編343

積荷
●構造

入口


 私有貨車セミナーのLPガス特集では、タム7100形解説の際にタキ5850形を多数取上げたが、今回はタキ5850形のサイドから解説する。

 タキ5850形は25トン積液化塩化ビニル専用車で、昭和42〜45年に日車本店と日立で5850〜99,15850〜54の55両がタム7100形LPガス専用車から改造された。不思議なのに三菱は改造に参加していない。

 タキ5862は昭和43年2月日車本店で、タム7152を種車として改造された。種車は昭和35年11月日車本店製で、出光所有で徳山から前川駅常備となった車両である。
 改造では、タンク体の短縮などはせず、専用種別だけを変更した。このため正規の25トン車であるタキ5800形より、容積は約1割大きく、自重も約6トン重くなっている。  タンク材質はボイラ用鋼板(SB46)で、LPガスからの転用のため、板厚

は胴板18mm・鏡板22mmと厚い。寸法は直径1,900mm・長さ12, 806mmであった。周囲には保冷用断熱材と薄鋼板製のキセがあり、その形状は日車特有のバンド締め7分割タイプであった。
 荷役装置の配管・弁類は銅合金を使用しないものに交換した。これは積荷に混入したアセチレンが銅合金と反応するためであった。
 台枠以下は種車のままで、長さは13,800mm・BC間距離は10,500mmであった。台車はTR41Cのままである。

 落成時の所有者は出光興産KK・常備駅は前川だが、書類上は落成と所有者変更の日付が逆で、改造日に先立つこと20日前に、丸紅KK所有、末広町駅常備に変更されている。写真撮影時は、京葉臨海から勿来に運用されていた。本形式の中では最後まで生き残った一両で、昭和61年8月に廃車となった。


【特別編342】030205作成、031226R4、071028R4A2、090712R4BY。

タキ5850形5862の写真

【写真1342】 タキ5850形5862 昭和49年1月12日 村田駅にて P:吉岡心平