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タキ9050形9057

私有貨車

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タキ9000形
タキ9100形

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[ロット表]


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特別編338
特別編340

積荷
●構造

入口


 一寸ユーモラスな形で笑いを誘う「カマボコ形タンク車」の中でも、今回は北海道内だけに生息した珍種を紹介する。

 タキ9050形は30トン積セメント専用車で、10両すべてが昭和42年にタキ9600形9610〜19から改番された。鉄道公報にはタキ9050形への改番の事実は記載なく、一時期は現車の存在自体が疑がわれたが、その後落成写真の発見で決着した。改番の理由はスクリューコンベア設置の有無を区別するためとの説が有力だが、設置と改番の時期が異なること、設置されたのは一部の車両だけなこと等、いまだに謎の点が多い。

 タキ9057はタキ9607改番と推定されるもので、種車は昭和41年12月日車支店製で、同社独自設計の「カマボコ形タンク車」の一員である。
 製造時期的には35トン車であるタキ5300形より後に製作されているが、これは松本電鉄沿線でのダム建設用に際し、軸重による入線制限を受けることのない30トン車を増備したためである。なお、昭和38年製のタキ9600形第一ロットは特別

編100で解説したが、これより大幅に軽量化されている。タンク体は普通鋼製のカマボコ形で、寸法は幅2,200mm・長さ7,700mmであった。
 荷役装置はエアスライドだが、昭和44年7月タキ9056〜59の4両は、車体中央部に電気駆動式のスクリューコンベアを追加した。地上設備の乏しい場所での荷役を考慮したためだが、自車に動力源を有するタキ3800形と異なり、駆動用モーターの電源は外部からの供給が必要であった。エアスライド装置も、消費空気量を抑制するため、位置ごとに締切コックが追加された。
 台枠は枕梁間の中梁の一部を省略したもので、長さ8,800mm・BC間距離5,800mmであった。台車はTR41Cから、第一次台車改造でTR41Dとなった。

 所有者は日本セメントKK・常備駅は高麗川であった。タキ9056〜59はf昭和44年6月に北海道の上磯駅に異動し、翌月スクリューコンベアを設置した。なお高麗川に残った6両は、一生をコンベアなしのままで過ごした。北海道組の4両は、昭和61年11月に揃って廃車となっている。


●類似形式 タキ9450形9450 S4203川崎で競作された30トン車。


タキ9050形9057の写真

【写真1339の1】 タキ9050形9057 昭和49年7月24日 苗穂駅にて P:吉岡心平

タキ9050形9057の写真

【写真1339の2】 タキ9050形9057 昭和49年7月24日 苗穂駅にて P:吉岡心平


【特別編339】030129作成、031229R4、041107リンク追加、050413R4A、070704R4A2、090220R4BY、
090926R4B。