吉岡心平のマーク

タサ3600形3600

私有貨車

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タサ3500形
タサ3700形

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ロット表


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特別編326
特別編328

積荷
●構造

入口


 タサ3600形は22トン積石油類専用車で、昭和35年にタキ1000形25トン車のうち最初の6両を減トンして出来た形式である。本形式を理解するには、種車のタキ1000形とはなにか、何故減トンされたのか、について語らねばならない。

 タキ1000形の00と01は昭和20年5月新潟で25トン積原油専用車として製作された。
 本形式の特徴は、C重油でも約0.9とされる設計比重が1.0と異様に大きいこと、当初から大容量の加熱管を装備していたことにある。一瞬低温乾留法による合成石油の輸送用と思ったが、当時の仕様書には「天然原油」輸送用と明記されていた・・・ こんなに重質の天然原油ってあったのかしら。なお昭和21年5,6月には、同一設計の車両が4両増備されている。

 こんな訳で、タンク容積は25.2m3と小さい。専用種別は昭和21年4月に原油から石油類に変わったが、比重1では満載は至難の業だったようで、昭和32年3月に設計比重を重油の0.88に見直

し、荷重を22トンに減トンした。形式も新たにタサ3600形とされた。

 タンク材質は普通鋼で、寸法は直径2,000mm・長さ8,196mmと、全体にタサ3000形アルコール専用車を少し短くしたような作りであった。タンク内部には大容量の蒸気加熱管が設置され、前後の鏡板には点検口が設けられた。
 台枠は通常の平台枠で、長さは9,200mm・BC間距離f6,00Omm、ブレーキは手+空気、台車は長軸を用いたTR20であった。なお台枠の銘板は戦争末期製の特徴の「メンコ型」である。

 タキ1000として落成時の所有者は共同企業KK・常備駅は新津であった。昭和21年4月、会社名は日本原油輸送KKに変わった。その後、社名は日本石油運送KKとなり、昭和31年8月に常備駅は沼垂となった。昭和32年3月に減トンされた。減トン後の常備駅は船川港となり、昭和32年6月に日本石油輸送KKとなった。昭和53年8月に最後のタサ3600形として廃車となった。


タサ3600形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
3600,3601 (S2005) (新潟) タキ1000 1000,1001 共同企業KK
3602〜3605 (S2105〜2106) (新潟) タキ1000 1002〜1005 日本原油輸送KK

タサ3600形3600の写真

【写真1327】 タサ3600形3600 昭和52年8月16日 新津駅にて P:吉岡心平


【特別編327】030101作成、031126R4、050407R4A、070704ロット表R3+R4A2、080626R4BY、100411
R4B。