吉岡心平のマーク

タキ11350形11350

私有貨車

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タキ11300形
タキ11450形

 番号
ロット表


タキ11366

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特別編306
特別編308

積荷
●構造

入口


 武政さんのリクエストはタキ11350形だ。昔々、高崎線の貨物列車で良くご覧になったとのことだ。

 タキ11350形は31トン積生石灰専用車で、昭和56〜59年に30両が誕生した。昭和56年製の10両は新製だが、昭和58〜59年の増備20両は、余剰化していたタキ11500形を改造した。
 積荷の生石灰は、商品名「ニカスロップ」と称する物質であり、生石灰主体の混合物で、鉄鋼用の脱硫剤として市販されていたものである。 写真のタキ11350は、昭和56年5月川崎で製作された新製グループ10両中のトップである。

 基本構造はタキ11500形40トン積セメント専用車に準じており、将来はこれに転用可能との触込みであった。このため荷重はタンク容積の制限を受け、31トンといささか半端となっている。

 タンク体は耐候性高張力鋼製のF2形異径胴で、両端直径2,050mm・中央直径2,600mmで、長さは9,200mmであった。
 荷役方式は圧送式併用のエアスライドで、駅頭でのタンクローリーへの積替えなどに活用された。
 台枠はセメントタキ特有の中梁を省略した軽量構造で、台車はTR213Cとモダンである。

 所有者は日本カーバイト工業KK・常備駅は魚津であった。運用先は千葉貨物ターミナルや村田の側線でタンクローリーに積み替えていた姿が目に浮かぶ。なお大阪方面では住金和歌山に運用があったようで、中継車を百済などで撮影したものだ。全体の中では新製車10両は最後まで残ったが、全車纏めて平成4年4月に廃車となった。転用を予定していたセメント専用車が、大量粛清の最中だったのは、歴史の皮肉と言えるだろう。


【特別編307】021118作成、040219R4、040806リンク変更、050515R4A、070704R4A2、070928ロット表R3
追加、081201R4BY。


タキ11350形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
11350〜11359 S5605 川崎 タキ11500 日本カーバイト工業KK
11360〜11369 S5811 日車▲ タキ11500 11519,11523,11546〜11548,
11550〜11554
日本カーバイト工業KK
11370〜11379 S5903〜5904 日車▲ タキ11500 11513〜11518,11543〜11545,11556 日本カーバイト工業KK

タキ11350形11350の写真

【写真1307の1】 タキ11350形11350 昭和62年1月3日 村田駅にて P:吉岡心平

タキ11500形111548の写真

【写真1307の2】 タキ11500形111548 昭和56年7月28日 洞爺駅にて P:吉岡心平

プロトタイプとなった川崎製のタキ11500形、台車廻り以外は良く似ている。