吉岡心平のマーク

タキ20350形20353

私有貨車

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タキ20300形
タキ20400形

 番号
ロット表

タキ20350

 ページ
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特別編276
特別編278

●積荷
●構造

入口


 35系の化成品タンク車は数多いが、その後継である38系は、タンク車による化成品輸送が退潮に入った時期に登場した。このためキセなしの適用例は本形式一形式だけに終わっている。

 タキ20350形は35トン積ブチルアルデヒド専用車で、昭和55〜57年に5両が日車で製作された。本形式の中では後にアセトアルデヒドシアンヒドリン専用となった20350〜52が有名だが、今回は影の薄かった残り2両を紹介する。

 タキ20353は昭和56年11月日車製で、設計比重は0.8、タンク容積は43.5m3であった。タンク体は魚腹形のF3タイプ異径胴で、材質はステンレス鋼(SUS304L)だが、黒く塗装されたため、ステンレス地肌のタンク体を持つタキ20352

迄とは大きく印象が異なっていた。
 荷役方式は規制上は下出し方式でもOKだが、伝統的な経緯から窒素ガスを用いた上出し方式となった。液入管はタンク上部だが、液出管と加圧管はS字管により、車体側面に導かれている。
 台枠は38系特有の中梁省略形で、長さは12,800mm・BC間距離は9,400mm、ブレーキ装置は手+積空、そして台車はTR225であった。

 所有者は日本陸運産業KK・常備駅は水俣であった。チッソKKのブチルアルデヒド輸送に使用されていたようだが、58−X改正による貨物駅廃止の影響を受け、使用期間は短かったようだ。昭和61年5月に村田駅常備になってからは、村田・神栖両駅で長期間留置されていたが、平成元年6月にタキ20354と一緒に廃車となった。


●同一専用種別 タキ2050形2050 25トン積改造車。昭和56年富士重改造で、種車はタキ1500形31594。


■主要諸元
製造年   昭和56年11月
製造所   日車
設計比重 0.804
タンク容積 43.5m3
タンク形態 異径胴(F3)形ドームレス
●上廻り
タンク材質 ステンレス鋼(SUS304L)
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク両端直径 2,000mm
タンク中央直径 2,400mm
タンク長さ 11,750mm
●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式S字管付
●下廻り
台枠形式   38系標準
台枠長さ   12,800mm
BC間距離  9,400mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KSD180−254形積空
台車      TR225形

タキ20350形20353の写真

【写真1277】 タキ20350形20353 昭和63年1月5日 神栖駅にて P:吉岡心平


【特別編277】020925作成、040106R4、050412R4A、050602ロット表追加、060714ロット表R2、061201ロット
表を特別編725に移動、070829R4A2、130912諸元追加+R4C。