吉岡心平のマーク

タキ7300初代形7304

私有貨車

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タキ7250形
▼タキ7300二代形

 番号
解説


タキ7357

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特別編272
特別編274

積荷
●構造

入口


 どうも粉物は不得意なので、今でも意外な大物形式が未解説で残っている。

 タキ7300形は昭和34年から41年にかけて、川崎と日立で523両が製作された35トン積セメント専用車。我国の粉体輸送車が諸外国のようにカバードホッパ車でなく、タンク車を多用することになった端緒を築いた点で、記念すべき形式である。

 タキ7304は第一ロットの一員で、昭和34年3〜4月川崎で9両製作された。同社製の粉体専用車は直円筒タンクを上・左下・右下に3分割し、側面の空いた部分に三角形の側板を追加したFE2型異径胴を採用したことが特徴だが、昭和31年の東武鉄道ホキ101形、昭和32年のタキ2000形、そして昭和34年の本形式を見比べると、その

進展の跡が辿れて興味深い。ところで、タキ7300形の換算両数が7300〜08と09以降とで異なるのをご存知だろうか。理由は不明だが、標記が異なることは事実であった。
 台枠はタンク体と干渉する枕梁間の中梁を省略したタイプである。側梁に300mmチャンネルを用いたのが目を引くが、この構造はタキ2000形に準じたと言うより、ホキ1形ホッパ車からもたらされたと考えるべきだろう。

 落成時の所有者は磐城セメントKK・常備駅は金指であった。昭和38年10月、社名は住友セメントKKに変わった。その後はタキ1900形の増備により、昭和40年7月には上白石、昭和45年2月には大越と次第に地方に移動し、昭和59年11月に廃車となった。


タキ7300形7304の写真

【写真1273】 タキ7300形7304 昭和57年7月4日 焼島駅にて P:吉岡心平


【特別編273】020916作成、040910R4、050326R4A、070724R4A2、090126R4BY、130804R4C。