吉岡心平のマーク

ホキ1初代形22初代

私有貨車


 今回はかわさきさんからのリクエストにお答えして、ホキ1初代形の中でも、一寸変わったスタイルの車両を取り上げる。

 ホキ1初代形は、30トン積セメント専用車で、我国初めてのカバードホッパ車である。このため製造メーカーにより様々な構造が試行されたため、今から見ると奇妙な貨車が多い。
 ホキ22初代は19初代〜24初代からなる6両ロットの一員として、昭和29年3月に日車支店で製作された。

 外観・構造はこれまで製作されたホキ1初代形と一変し、ホッパは車幅方向でW型断面となり、2列ある底部は幅400mmエアスライドとされ、車体中心に向けて傾斜したものとなった。

 外観面でこのタイプが従来のホキ1初代形と最も異なるのは、車体側面を開放した点である。このためホッパ側板が露出し、異様な外観となった。後に日車製セメント車の代表となったホキ5700形の萌芽が、この設計に見られると言ったら言い過ぎだろうか。
 台枠は側梁に300mmチャンネルを使用した中梁省略形で、長さは8,800mm・BC間距離は5,800mmであった。台車はTR41Cだが、後に第一次台車改造でTR41Dとなっている。

 落成時の所有者は日本セメントKK・常備駅は大久野であった。昭和30年6月に常備駅は高麗川となった。昭和38年7月のホッパ車改番で、ホキ3500形3522となった。昭和51年4月、タキ1900形に置き換えられる形で廃車となった。


●同一形式 キ3500形3780(特別編158) 昭和35年東洋製で、三岐鉄道ホキ6000形6007を車籍編入したもの。

●同一専用種別 ホキ3100形3152(特別編143) 昭和38年9月東洋製のエアスライドホッパ車。

           ホキ3100形3237(第78週)    昭和39年9月若松製のエアスライドホッパ車。


【特別編259】020827作成、040910R4、050501R4A、071010R4A2。

ホキ1初代形22初代の写真

【写真1259】 ホキ1初代形22初代 P:鈴木靖人撮影/堀井純一所蔵

【堀井さんから故鈴木さんが撮影された、貴重な写真を提供して頂きました】