吉岡心平のマーク

タ3400形3400

私有貨車

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タ3300形
タ3500形

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特別編137
特別編139

●積荷
●構造

入口


 タ3400形には苦い思い出がある・・・ 夏の九州旅行で、大分に向けて黒崎から乗車した急行の車窓から見えたのは、西八幡の検修線に佇むタ3400の姿であった。さんざん悩んだ挙句、旅程の制約から引き返さずに終わったが、いまでも悔しい思い出として残っている。

 タ3400形は昭和31年10月三菱が製作した10トン積メチルビニルエーテル専用車。一形式一両、さらに専用種別でも一両のみの珍車である。
 積荷の中には高圧ガスとして法規制を受ける程ではないが、そこそこ蒸気圧が高い積荷がある。メチルビニルエーテルもその一つで、常用圧力は6Kg/cm2に達するため、タンク体の構造は普通タンク車と高圧ガスタンク車の両者を折衷したものとなった。

 具体的に見てゆくと、タンク体はドーム付の直円筒型だが、ドーム頂部には高圧ガスタンク車のマンホール弁方式を模したプロテクタが装備されていた。プロテクタ内部には液入・液出管と安全弁が収納されている。タンク材質は普通鋼だが、ドーム部分は高い圧力に備えて十分な補強が施され、タンク周囲にはグラスウールと薄鋼板製の保冷用キセが装着されていた。
 下廻りでは、落成時から2段リンク式ばね釣り装置を装備している。

 所有者は三菱化成工業KK・常備駅は塩浜から昭和40年3月に黒崎に異動した。写真はメタクレゾール仮専用として安治川口駅に現れたところをキャッチしたものである。昭和49年12月に廃車となった。


●関連形式 タム5200形5201 普通車と高圧ガスタンク車の折衷車だが、高圧ガスタンク車に近いタイプ。


【特別編138】011224作成、040201R4、050425R4A、070911R4A2、090611R4BY。

タ3400形3400の写真

【写真1138】 タ3400形3400 昭和45年10月5日 安治川口駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】