吉岡心平のマーク

タキ6350形6354

私有貨車

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タキ6300形
タキ6400形

 番号
ロット表

タキ6351
タキ6356

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特別編116
特別編118

積荷
●構造

入口


 その昔、長期連休を利用した撮影旅行では、各地の国鉄工場を訪れるのが定番となっていた。往復はがきで事前にお願いしておくと、間違いなく撮影させて頂けたものである。ただ、被写体はご当地名産の国鉄の専属貨車や、役目を終えた試作車・試験車などが主で、私有貨車はその時の運に左右されたものである。
 ここに紹介するタキ6354は、昭和50年に訪問した国鉄郡山工場で、ちょうど全般検査待ちだったのをキャッチしたものだ。

 タキ6350形は25トン積ペーストサイズ剤専用車で、昭和41〜49年にかけて7両が製作された。メーカーは53が三菱の他はすべて川崎である。毎年少数づつ製作されたため、外観・構造は車両ごとに少しづつ異なっていた。荷重が25トンなのは、輸送単位を考慮したためだろうか。

 タキ6354は昭和46年2月川崎製で、前作より3年振りの増備である。タンク体は普通鋼製で、その寸法である直径1,950mm・長さ8,730mmはタキ6355までのドーム付タンク体のグループの標準となっている。タンク周囲には保温のためグラスウール断熱材と薄鋼板からなるキセを持つ。タンク受台は本形式で初めて押え金方式となった。全体としてタキ4200形のような外観だが、荷役方式は下出し方式で、写真で見えるS字管は、高粘度の積荷の排出をアシストするための空気管だ。

 所有者は星光化学工業KK・常備駅は生涯を通じて北沼だった。同社の工場は明石近辺にあったようで、西明石駅の貨物扱所で積込み、北沼や焼島の製紙工場に輸送していた。58−Xのヤード系輸送廃止により、昭和59年1月に廃車となった。


●同一専用種別 タキ20300形20303 同一専用種別の35トン車で、所有者が異なる。


タキ6350形6354の写真

【写真1117の1】 タキ6350形6354 昭和50年2月20日 国鉄郡山工場にて P:吉岡心平

タキ6350形6354の写真

【写真1117の2】 タキ6350形6354 昭和50年2月20日 国鉄郡山工場にて P:吉岡心平

吐出管を避けるため、妙な形となったブレーキテコに注目。


【特別編117】011019作成、020729本文修正、031120ロット表追加、040123R4、050227R4A、060805ロット表R2、070710R4A2、070801ロット表R3、081002ロット表を特別編936に移設、090602R4BY、130629R4C。