吉岡心平のマーク

タキ300形4586

私有貨車

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タキ250形
タキ400形

 番号
[ロット表]

タキ4584

 ページ
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特別編52
特別編54

積荷
●構造

入口


 そもそも形式の最初と最後には珍車が集中する。トップの場合は試作、ラストでは時期外れの増備が主因だが、ここで紹介するタキ4586は、後者の場合の最適例と言って良いだろう。

 タキ300形は、わが国のタンク車で最長期間(昭和7年から51年までの44年間)に亘って製作された形式である。タキ4586はそのラストナンバーで、昭和51年12月富士車両で4585と一緒に製作された。

 何処が珍しいかは写真から一目瞭然で、なんとタキ23900形に酷似したドームレスタンク車として出現したのである。
 設計比重は1.6と希硫酸との限界ぎりぎりで、タ

ンク容積は18.8mと大きい。タンク材質は耐候性高張力鋼で、タンク寸法は直径1,700mm・長さ9,070mmであった。
 台枠は標準的な平形で、長さ10,100mm・BC間距離6,800mm、ブレーキ装置は積空+両側、台車はTR225と、全くタキ300形を解説しているとは思えない。
 余談だが、本ロットより一年前に川崎で製作されたタキ4583、84も、これと甲乙つけがたい変形車で、細いタンク体とマジンガーZタイプのプロテクターのコントラストが何とも奇妙だった。

 所有者は宇部興産KK・常備駅は宇部港で、運用先は岩国だったようだ。昭和60年12月に僚車4585と共に廃車となった。


タキ300形4586の写真

【写真1053】 タキ300形4586 昭和52年8月5日 岩国駅にて P:吉岡心平


【特別編53】010511作成、011130リンク追加、020617リンク追加、021209本文修正、030124リンク変更、

040207R4、050413R4A、070629R4A2、090326R4BY、130831R4C。