吉岡心平のマーク

ホキ8000形8014

私有貨車


 「ホッパグラフィティ」などの著作で有名な長門さんから、ホキ8000形のリクエストを頂戴した。

 一風変わったその形態は、ホッパ車ではホキ800形などと共に「流し板付側開きタイプ」に分類される。積荷を積載するホッパ自体は車体中央にあるが、そこから出た積荷は流し板上を転動して車側に排出されるため、この名前が付いた。元祖は明治時代に外国から輸入された鉱石車で、その後国産されたものを含め製鉄所では現在でも鉱石輸送に賞用されている。私鉄では東武・秩父などで石灰石輸送に使用された他、国鉄では宇部地区の私鉄から編入されたセム3900形2軸石炭車などもこのタイプである。

 ホキ8000形は昭和42年に16両、昭和45年に2両が製作された35トン積石灰石専用ホッパ

車で、石灰石では我国初の35トン車である。メーカーは汽車・若松・川崎の三社である。この種の車両としては異様に車体が長いのは、構造上ホッパ断面を大きく取ることができないためである。

 所有者は日鉄鉱業KK・常備駅は船尾で、同地の鉱山から西八幡への石灰石輸送に使用されていた。その後、昭和54年7月に上白石に異動したが、あまり使用されなかったようで、昭和56年8月には日本石油輸送KKに売却された。常備駅は南港(後の名古屋南港)だったが便宜上のもので、実際には北海道に渡り、東鹿越から北見への石灰石輸送に充当された。南の国から最果ての地まで移動して頑張っていた本形式だったが、ホキ8016、17は昭和60年7月、残る16両は昭和62年2月にそれぞれ廃車となり、JRへの移行以前に姿を消した。


無蓋ホッパ車のガイド


【特別編39】010225作成、030506リンク変更、040124R4、050430R4A、060611ロット表追加、070101ロット表
R2、070605R4A2、080116ロット表R3。

ホキ8000形8014の写真

【写真1039】 ホキ8000形8014 昭和58年8月14日 北旭川駅にて P:吉岡心平