吉岡心平のマーク

タム900形1027

私有貨車

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タム800形
タム1700形

 番号
[ロット表]

タム1025

 ページ
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第134週
第136週

積荷
●構造

入口


 形式の最初と最後には奇妙なクルマが多い。前者は試作車で判りやすいが、後者はレゾンデートルの特定が難しいから厄介だ。

 タム1027はタム900形15トン積カセイソーダ液専用車では珍しい純新車として、昭和29年5月に川崎で製作された。タム1026と2両1ロットであった。

 外観・構造は一見すると近代的なスタイルだが、良く見ると奇体な点がある。タンク体の腰が高く、タンク受台の帯金固定部がやけに両側に張り出しているのだ。
 これらは、本来あるべきタンク周囲の断熱装置が無いためと考えられば、すべて符合する。中で

も帯金固定部の張り出しは、川崎製独特のキセ外側に巻く帯金を考慮したためだ。同社製で後天的にキセを外した例には国鉄所有のタ1200形があるが、この場合はキセとタンク体間にスペーサーが残されているから、本車の場合は新製時からキセは無かったものと思われる。むしろ気になるのはキセを予定したのと省略したことの理由だ。
 台枠は平形で、走り装置は一段リンクからヨンサントウで2段リンクとなっている。

 所有者は鐘淵化学工業KK・常備駅は高砂港であった。昭和35年9月にKK井上孫商店所有・幸崎駅常備となった。この時点で濃硫酸の臨時専用になったものと推定される。昭和52年12月に廃車となった。


タム900形1027の写真

【写真135】 タム900形1027 昭和50年8月1日 幸崎駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第24巻に「P01420」として収録されています。


【第135週】030330作成、040228R4、050428R4A、070824R4A2、090614R4BY、131128R4C。