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タキ3700形3712

私有貨車

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タキ3650形
タキ3800形

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タキ3710
タキ3720

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第110週
第112週

積荷
●構造

入口


 今回もCD−ROM第18巻の中から、タキ3712を解説する。

 タキ3700形は30トン積の酢酸・無水酢酸専用車で、外観・構造はタンク材質と保温キセの有無で3種類に大別される。これは酢酸と無水酢酸との物性差に起因するもので、両者は設計比重等も微妙に異なっていた。

 タキ3712は3713と共に昭和34年12月三菱で製作された。同一メーカー・ユーザーの組合せが昭和30〜31年に製作したタキ3700〜04の増備で、無水酢酸の輸送用としてキセ無しのアルミ製タンク体を持つタイプである。
 設計比重は無水酢酸用のため1.07で、タンク容積は28.5m3であった。ちなみに酢酸は1.05で、容積は29m3程度が普通となっている。

 タンク体は純アルミニウム製で強度が低いため、板厚は胴板13mm・鏡板16mmと厚い。直径は1,885mm・長さは10,500mmであった。
 荷役装置は通常の上入れ上出し式であったが、写真撮影後の昭和51年10月に、荷役時の臭気防止のため一部が改造されている。
 台枠は平台枠で、長さは11,200mm・BC間距離は7,800mmであった。ブレーキ装置は空気+手、台車はTR41Cであった。なおブレーキシリンダにはシリンダと空気溜が一体となったKC形を使用しているが、これは当時の三菱製だけに見られる特徴であった。

 所有者は大日本セルロイドKK、常備駅は新井であった。会社名は昭和41年2月にダイセルKK、昭和55年1月にはダイセル化学工業KKと変わった。現在も健在のようである。


タキ3700形3712の写真

【写真111】 タキ3700形3712 昭和50年4月26日 越中島駅にて P:吉岡心平


【第111週】021013作成、021124リンク変更、040123R4、050412R4A、070707R4A2、081023R4BY、130623R4C。