吉岡心平のマーク

タキ3650形3650

私有貨車

 形式
索引

タキ3600形
タキ3700形

 番号
[ロット表]


 ページ
索引

特別編426
特別編428

積荷
●構造

入口


 リン酸専用車は、バラエティが多いのが特徴である。これは耐食材料として、ステンレス・ゴムライニング、そしてポリエステルライニングを使い分けることが可能である点に起因するようだ。

 タキ3650形は昭和41年4月に日車支店で製作された一形式一両の珍車である。巷間ではポリエステルライニングの採用で新形式となったと思われているが、実はゴムライニングのタキ11200形・ステンレスタンクのタキ11300形は本形式より新しい。本形式の名誉のためにも、我国初の35トン積リン酸専用車であることを明記しておく。

 閑話休題、設計比重は1.56、タンク容積は22.4m3である。タンク体は普通鋼製で、内面は不飽和ポリエステル樹脂でコーティングされていた。寸法は直径1,850mm・長さ8,800mmである。

 ちなみに後の増備であるタキ11200形も、この寸法を踏襲した。ドームはフランジ構造とされた。
 なお外観・構造は、特別編140で取り上げたタキ4750形に良く似ているが、タンク体は本形式の方が僅かにスリムである。
 台枠は通常の平形で、長さは9,500mm・BC間距離は6,200mm、ブレーキは手+空気、台車はTR41Cと当時としては標準的な作りである。

 所有者は燐化学工業KK・常備駅は稲荷町であった。馴染みの薄い駅名だが、同駅は富山地鉄にあり、写真も富山駅での継送待ちを撮影したものである。常備駅は昭和54年9月に半田埠頭、昭和60年1月に富山港、そして伏木と変遷し、晩年は同駅で長期間留置されていた。留置場所は狭く逆光で、綺麗な写真が撮れなかった記憶がある。平成8年8月に廃車となった。


【特別編427】031014作成、040306R4、050413R4A、070606R4A2、080828R4BY。

タキ3650形3650の写真

【写真1427】 タキ3650形3650 昭和49年9月28日 富山駅にて P:吉岡心平