吉岡心平のマーク

タキ10550形10554

私有貨車

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タキ10500形
タキ10600形

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ロット表

タキ10550

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第52週
第54週

積荷
●構造

入口


 今週号から、CD−ROM第9巻に収録した写真を解説する。
 我国の鉄道貨物輸送の弱点のひとつは、軸重が13.5トンに制限されるため、大荷重の貨車が開発できないことだ。昭和42年、石油類の集約輸送用として軸重15トンを許容したタキ43000形が華々しく登場すると、化成品輸送にもこのプラクティスを用いたいと思うのは道理で、かくして誕生したのが本形式・タキ10500形、そしてホキ7200形である。

 タキ10550形は45トン積濃酸タンク車として、昭和43年5月に1両、同年10月に4両の計5両が製作された。メーカーは全車日立である。外観・構造

はタキ5750形40トン車を長手方向にそのまま引き伸ばしたもので、タンク長さは9,500mmとタキ5750形より約1m長くなっている。このため重心の低さが強調され、まるでダックスフントのようなスタイルとなった。外観からは判らないが、自連緩衝器は大容量のRD18を搭載し、台車は14トン付のTR210だが、慣れた人でないとTR41Eとは識別困難であろう。

 所有者は日本鉱業KK・常備駅は日立であった。軸重制限のため、着駅は越中島や東海道周辺などと限られていたようである。結局のところ使い難かったらしく、車令15年を迎えた昭和58年6月、全車廃車となっている。


■主要諸元
製造年   昭和43年10月
製造所   日立
設計比重 1.86
タンク容積 24.1m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス
タンク材質 耐候性高張力鋼
タンク板厚 胴板8・鏡板9mm
タンク直径 1,850mm
タンク長さ 9,500mm

●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   枕梁間側梁省略形
長さ      11,120mm
BC間距離  7,820mm
留置ブレーキ 両側
空気ブレーキ KSD203−254形積空
台車      TR210形

タキ10550形10554の写真

【写真53】 タキ10550形10554 昭和49年8月 越中島駅にて P:吉岡心平


【第53週】010902作成、030120本文サイズ変更、040122R4、050410R4A、070811R4A2、090220R4BY、100601R4B、130827R4C、131110諸元追加。