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片上鉄道は1両だけホッパ車を保有していた。それも新製車で他には見られない構造・外観であった。このホキ100形101は昭和46年2月に川崎重工業で製造された。同社の無蓋車トム500形やトラ800形を置き換えるために試作されたといわれているが,硫化鉄鉱の輸送量が減少していた(昭和40年頃月7万トンが昭和47年には月4万トン)当時,減価償却が終わっているこれら無蓋車を置き換えるために,高価な新車を導入したとは考えにくい。 設計は,国鉄ホキ2500形をベースとしホッパ部分の寸法は,ほぼ同一である。しかし,積荷の比重が大きいため,荷重を38トンとし,総重量54トン,軸重13.5トンと限界一杯の仕様とした。 本車の最大の特徴は妻板上部に設けたロート状の増設ホッパで,編成を引き出しながら連続で積み込みを行うときに,連結面に鉱石が落ちるのを防ぐための装置と考えられる。このため,手ブレーキはホキ2500形に対し,側面に寄った位置に設けられた。ホッパの開閉はホキ2500形と同様に空気圧による一斉制御を狙ったと見え,妻板にその空気ホースが見える。手動開閉装置のウォームギヤ箱形状は工作の簡素化のためか直線構成となっている。 台車も珍台車の「川崎C−R」台車である。輸出用の台車を転用したのであろうか。外観はTR225そっくりであるが,当時のホキ2500形はTR213−1を履いており,TR225が登場するのは昭和48年であり,こちらが元祖である。なお,本台車の軸受はJT11である。 本車も登場後,仲間が増えることなく休車となり,長らく吉ケ原駅に留置されていた。片上鉄道の廃止と共に廃車された。
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