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トキ23900形23900

JR貨車


 各種あった物資別適合貨車のうち、JR貨物に承継された形式は少数である。今回は、数少ない例のうち、亜鉛インゴットを輸送するため製作されたトキ23900形を取り上げる。

 トキ23900形は亜鉛塊輸送用の無蓋車で、昭和54〜56年にトキ25000形から30両が改造された。なお種車にはTR209台車を装備した初期形(トキ25000〜26299)が選択的に充てられている。

 改造ではトキ21500形と同様に、床板より上部を撤去し、床板上に木製枕木と引き違い式のカバー、そしてカバーに合わせた妻板を新設した。
 なおトキ21500形と異なり、種車時代の妻板は

そのまま残置され、カバーに合った妻板はその内側に新設された。荷重は36トンと種車時代と同一だが、これはカバーが小型軽量のためである。塗色は赤3号のままであった。

 外観的には昭和54〜55年度製の23900〜23919と昭和56年度製の23920以降とで異なり、後者はカバーの高さが約100mm高くなった。なお、写真のトキ23900号車は試作車のため細部が異なっている。

 落成時の配属は金沢局黒部駅で、溶融亜鉛めっき用の亜鉛インゴットを各地に輸送した。JR貨物には30両全てが承継されたが、平成5年度から廃車が始まり、平成7年度に形式消滅した。


●関連形式 トキ21500形21512(JR貨車039) 屋根開閉式無蓋車の先輩格。
■参考文献 トキ23900形亜鉛塊用無蓋車 矢嶋亨,トワイライトゾーンMANUAL11,ネコ・パブリシング(2002)


【JR貨車040】060722作成R4。


JR貨物継承車番号表 年度別両数変遷

No. 番号 廃車 No. 番号 廃車 No. 番号 廃車
23900 H0704 11 23910 H0712 21 23920 H0601
23901 H0708 12 23911 H0712 22 23921 H0603
23902 H0704 13 23912 H0712 23 23922 H0603
23903 H0704 14 23913 H0712 24 23923 H0610
23904 H0706 15 23914 H0711 25 23924 H0605
23905 H0706 16 23915 H0711 26 23925 H0607
23906 H0707 17 23916 H0712 27 23926 H0607
23907 H0712 18 23917 H0712 28 23927 H0608
23908 H0710 19 23918 H0711 29 23928 H0610
10 23909 H0711 20 23919 H0801 30 23929 H0611

 

トキ23900形23900の写真

【写真3040】 トキ23900形23900 昭和60年7月20日 稲沢駅にて P:吉岡心平