吉岡心平のマーク

コキ50000形57113

JR貨車


 最近、コキ57000番台に関する問合せが多いと思ったら、模型が発売されたためのようだ。

 コキ50000形57000系は集中電源方式のクールコンテナを輸送するため、コキ50000形の平番台に電源配線を追加した貨車である。ウエブの解説では57100番台×2+57000番台+57100番台×2の5両編成となっているが、実際は両端は57110番台とするのが正当である。

 えっ! 57110番台なんて聞いたことがないって? あるんですよ実は・・・

 57000系は電源配線の仕様で3種類に別けられる。
 57000番台は中央にZG形電源コンテナを搭載する車両で、車体中央床下にコンテナと連結する大型コンセントがある。電源配線は前位車・自車・後位車を別々に給電できるように区分されているため、コンセントも3個ある。また両端の端梁にコンテナに給電するための小型コンセントがある。
 57100と57110番台は2位側面に電源線の引き通しがあり、後端(デッキのある妻)にジャンパ線が、前端に栓受が設置されている。コンテナへの給電コンセントは両端の端梁に加え、中央のコンテナに給電するため、中央コンテナの前端部床下にコンセントが追加されている。さて問題のコ

キ57110番台だが、12フィートの集中式クールコテナを積載するため、更に12フィートで前端から1〜2個目、2〜3個目、そして3〜4個目に給電コンセントが3個追加された点が57100番台と異なる。つまり、57000番台は最大で20フィート2個、57100番台は同じく20フィート3個、57110番台は20フィート3個から12フィート5個の範囲で組合せて積載することが出来るのだ。

 以上の解説でお判りのように57110番台は57100番台に代用することが出来るため、両数も10両と57100番台より2両多い。また実際の編成では、負荷を均等にするため、57110番台は編成の両端に連結されていた。また配線の相違から57000番台は57100・57110番台に代用することは出来ず、引き通しが片側にしかないことから、一両単位での方向転換は不可で、札幌タ寄りが前位であった。

 写真で台枠側面に四角いプレートが見えるが、これは「プラグの抜き差しは、必ず冷凍コンテナの電源スイッチをOFFにしてから行ってください」との注意書を記載した銘板で、給電コンセントの位置と対応している。また側面に見える小さなランプは給電表示灯である。これら銀色のプレートと淡く光るランプこそ、57000系のチャームポイントだと言ってよいだろう。


【JR貨車041】060726作成R4。

コキ50000形57113の写真

【写真3041】 コキ50000形57113 平成2年7月26日 鷲別駅にて P:吉岡心平

左の端梁部に見える銀色の筒が給電コンセント、注意書プレートの位置に注目して欲しい。