吉岡心平のマーク

タ13300形13301

私有貨車

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タ11000形
タム1形

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[ロット表]


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特別編673
特別編675

●積荷
●構造

入口


 高校以来の友人である西端先生から、昔の貨車写真を頂いた。今回はこの中から、北辺の地で生涯を終えた為、殆ど写真に残されていないマルロ車のタ13300形を取り上げる。

 タ13300形はタ3300形10トン積ユーロイド専用車から、ヨンサントウによるマルロ車の形式分割で誕生した形式である。昭和43年8月にタ3301と3302がそれぞれ13301,13302に改番された。

 タ13301の履歴は複雑だ。昭和18年3月日立でタム100二代形1131として誕生後、昭和26年3月タ2900形2906、昭和30年9月タ3300形3301を経て、昭和43年8月に13301と変遷した。専用種別は濃硝酸からメタノール、そしてユーロイドと変ったことになる。

 タム100形転用改造車の一族に属し、転用時は種車のタンク体・台枠をそのまま転用したため、主要寸法は変化していない。
 ところが本車と13302には、他の転用車に見られない特徴があった。それは荷役装置で、種車時代の上出し配管・弁類をすべて撤去し、代わりにタンク中央底部に下出し方式の吐出管を新設した。このような例は、種車のアルミ製タンク体を流用したタム100形転用車では本形式が唯一で、極めて稀有な事例と言えるだろう。

 改番時の所有者は東洋高圧工業KK・常備駅は豊沼であった。所有者名は、改番直後の10月に合併により三井東圧化学KKとなった。積荷は合板用接着剤で、道内専用のマルロ車として北海道内での輸送に供用されていたが、昭和53年2月に廃車となった。


●関連形式 タ3300形3304(特別編94) 2段リンク改造を受けた車両の例。

●参考文献 私有貨車セミナー第32回(レイルマガジン150号) タム100形転用改造車の第3回


【特別編674】060529作成R4A、070727R4A2、081006R4BY。

タ13300形13301の写真

【写真1674】 タ13300形13301 昭和46年7月 場所不明(北海道の何処か) P:西端慎一

【西端さんから貴重な写真を提供して頂きました】