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タキ5800形5829

私有貨車

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タキ5750形
タキ5850形

 番号
解説

タキ5820

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特別編591
特別編593

積荷
●構造

入口


 高圧ガス専用車への高張力鋼製タンクの採用は昭和39年からだが、液化塩化ビニルに応用されたのは昭和43年で、最も遅い部類に入る。もともと使用圧力が低かったことが原因のようだが、今後解明を要する課題の一つだ。

 タキ5829はタキ5800形25トン積液化塩化ビニル専用車の最終ロットとして、信越化学が昭和42年6月日立で5825〜30の6両製作したうちの一両である。半年前に同社が作ったタキ5822〜24の増備と言って良いだろう。

 設計比重は1.22・タンク容積は30.5mであった。
 タンク体はボイラー用鋼板製で、直径は1,894mm・長さは11,250mmであった。周囲には保冷のため厚さ70mmのスチロポール断熱材と薄

鋼板製のキセがあり、外被は法規制によりねずみ色1号である。
 荷役装置は積荷が銅と反応して爆発性化合物を生じるため、弁装置には銅合金の使用を避けている。また昭和53年には保安度向上のため、緊急遮断弁を追加する工事を受けた。
 台枠は標準的な平形で、長さは12,200mm・BC間距離8,900mmであった。ブレーキは手+KD形空気、台車はTR41Cであった。

 落成時の所有者は信越化学工業KK・常備駅は黒井であったが、昭和47年3月に鹿島臨海鉄道の奥野谷浜に移動した。昭和53年8月には日本陸運産業KK・浜五井駅常備となり、翌9月に弁装置の改造(緊急遮断弁の取付)を受けた。日陸になってからは呉羽勿来などに運用されていたようである。昭和59年9月に廃車となった。


【特別編592】050523作成R4A、071201R4A2、081230R4BY。

タキ5800形5829の写真

【写真1592】 タキ5800形5829 昭和57年11月3日 村田駅にて P:吉岡心平