吉岡心平のマーク

タサ500形553

私有貨車

 形式
索引

▲タサ400形
タサ600形

 番号
[ロット表]

タサ534

 ページ
索引

特別編512
特別編514

積荷
●構造

入口


 豊永さんが活躍されていた昭和30年代は、3軸貨車も「今なお現役」であった。

 タサ500形は大正12年から昭和12年の間に81両が製作された。欠番や二代目が存在するので、ラストは583である。20トン積の3軸車で、専用種別は「種別なし」・ガソリン・石油類・クレオソートなど様々であった。

 タサ553は550〜555からなるロットの一員として昭和5年8月に浅野造船所で製作された。同社製では初の3軸タンク車で、外観・構造は競作された日車製と酷似していた。落成時はガソリン専用だったが、昭和30年代前半に石油類積みに変更された。写真は変更後の姿である。

 タンク体は鋲接で、直径は2,050mm・長さは8,540mmであった。中央軸と吐出管との干渉

を防ぐため、ドームは偏っている。ちなみに直径はタキ3000形などと同寸で、リベットを除けば現在見ても違和感はない。
 台枠は平形で軸距2,740mm(=9フィート)×2であった。3軸車の通例として中央軸にブレーキシューは装備されておらず、ブレーキシリンダはKD180と荷重の割に小型であった。

 所有者は紐育スタンダード石油KK・常備駅は糸崎から、昭和7年2月安治川口に移った。会社名はソコニーバキュームコーポレーション・スタンダードバキューム石油と変り、昭和17年4月には石油共販KK・糸崎駅常備となった。戦後はスタンダートに戻り、糸崎・浜安善・清水・初島と各地を転々とした。昭和37年1月の分割では、モービル石油KK所有となり、ヨンサントウ以降は本輪西駅常備として、北海道内で使用されたが、昭和45年7月に廃車となった。


【特別編513】040731作成R4、050411R4A、070716R4A2、090101R4BY。

タサ500形553の写真

【写真1513】 タサ500形553 昭和35年1月3日 岩淵駅にて P:豊永泰太郎

【豊永さんの貴重な写真を提供して頂きました】