吉岡心平のマーク

ホキ5300形5300

私有貨車

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ホキ5200二代形
ホキ5400形

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[ロット表]


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特別編367
特別編369

●積荷
構造

入口


 鉱石列車は山元から工場へと相場が決まっているが、今回は京浜工業地帯の片隅で蠢いていた知られざる鉱石輸送用ホッパ車を紹介する。

 ホキ5300形は30トン積焼結鉱専用ホッパ車で1ロット20両が昭和36年7月日車本店で製作された。積荷は製鉄原料となる焼結鉱だが、本形式の特徴は「焼きたてのほやほや」を輸送する点にあった。輸送時の温度は公称50〜60℃であったが、実際にはもっと高かったものと思われる。製鉄所構内では良く見られる風景だが、国鉄線上での輸送としては、溶銑輸送と同様、珍しいものと言ってよいだろう。

 外観・構造はホキ4200形に準じるが、高温の積荷による傷害事故を防止するため、側面と妻面

そして開戸など人手に触れる部分には、内面に断熱材として厚さ30mmの「トムレックス」を貼付け、表面を薄鋼板でカバーしていた。側面に見える多数のボルトは断熱材の固定用で、標記などが標記板に記載されているのは、熱による影響を避けたためである。
 下廻りもBC間距離4,900mmと、ホキ4200形と同一だが、特定線区内での限定輸送用であるため、自連緩衝器は2重コイル形引張バネ式と、コストダウンのため産業用車両用のものを使用した。台車はTR41Cであった。

 所有者は日本鋼管KK・常備駅は浜川崎で、終始鶴見線内の浅野〜浜川崎間の輸送に限定使用された。ヨンサントウ以降は「ロ」車となり、昭和46年12月に形式全車が車籍除外となった。


【特別編368】030410作成、030507リンク追加、031209R4、050410R4A、071202R4A2、090420R4BY。

ホキ5300形5300の写真

【写真1368】 ホキ5300形5300 昭和43年11月 浅野駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】