吉岡心平のマーク

ワキ700形710

私有貨車

 形式
索引


テキ1二代形

 番号
[ロット表]

▲ワキ709
ワキ728

 ページ
索引

特別編343
特別編345

●積荷
●構造

入口


 「電車になった貨車」では、配給電車に化けたトキ10形が有名だが、その脇役となった元私有貨車を紹介しよう。

 ワキ710は、戦時中に航空爆弾・魚雷輸送用の大型有蓋車として開発されたワキ700形30両中の一両で、昭和18年2月鉄道省大宮工場で製作された。車体は大型で、車内には重量物運搬用のホイストが装備されていた。落成時の所属は第2海軍航空廠・常備駅は逗子で、現在の東急車両や横浜市大のあたりが住処だったようだ。敗戦で失職した後は、大蔵省の所管となり連合軍専用車や荷物車代用としてアルバイトする毎日であった。

 ところが昭和27年、振って沸いたような災難が降りかかった。トキ10形無蓋車を大井工場で配給電車クヤ7形(後のクル9210形)に改造する際、走行性能に優れたTR24台車をが必要となり、哀れワキ700形5両が、その供給元とされたのである。
 供出したTR24の代わりにはトキ10形のTR20台車を貰ったが、最高速度は65km/hに低下し、かつて旅客列車に併結された雄姿は夢と消えた。このため改造された5両は有効な使い道もなくなり、品川や尾久、そして写真の横浜機関区など東京近郊地区の救援車として、末路を終えることになったのである。


●関連形式 シキ40形261  昭和20年6月日立製、陸軍所有の大物車で、同様に国鉄に買い上げられた。


ワキ700形710の写真

【写真1344】 ワキ700形710 昭和44年9月28日 国鉄横浜機関区にて P:仁藤慎一

【仁藤さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編344】030208作成、030814リンク追加、040302R4、050212R4A、091207R4B。